膝の手術後リハビリテーション

最新アプローチで導く、確実な回復への道筋

回復の鍵は「身体」と「脳」の両輪アプローチ

手術後の回復は、単なる筋力トレーニングだけでは不十分です。損傷した身体機能を取り戻す「身体的回復」と、脳が無意識にかけるブレーキを解除する「神経系の再教育」。この2つのアプローチを組み合わせることで、真の機能回復が実現します。

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身体的回復

筋力、可動域の改善、炎症抑制

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神経系の再教育

脳の防御反応の解除

なぜ膝が曲がらない?原因は「脳のブレーキ」

手術後、膝の動きが制限されるのは、単に筋力が落ちたからだけではありません。脳が膝を守ろうとして、無意識に「動かさないように」という強力なブレーキをかけていることが大きな原因です。このメカニズムを理解することが、回復の第一歩です。

手術・ケガによる組織の損傷

脳が「危険信号」として認識

無意識の「防御ブレーキ」発動

(痛み、可動域制限、筋力低下)

解決策:神経系の再教育

「この動きは安全だ」と脳に学習させる

術後72時間:身体的回復の最初のステップ

手術直後の数日間は、合併症を防ぎ、回復の土台を築くための非常に重要な期間です。適切な初期対応が、その後のリハビリ効果を大きく左右します。

手術当日 (0日目)

ベッド上で安静を保ち、炎症を最小限に抑えます。血栓予防が最優先事項です。

  • アイシングによる炎症抑制
  • 脚を高く保ち、むくみを軽減
  • 弾性ストッキングの着用

術後1日目

積極的な運動療法の開始。早期から体重をかけることで、回復を促進します。

  • 全体重をかけて歩く練習を開始
  • 膝の曲げ伸ばし運動

術後2〜3日目

多くの方が退院を迎える時期。自宅でのリハビリに移行し、次のフェーズへ進みます。

  • 安定した歩行の確認
  • 自宅でのリハビリ指導

ブレーキを外す鍵:「超スロー運動」

脳のブレーキを解除するには、筋肉を鍛えるのではなく、動きの感覚を脳に再認識させることが重要です。そのために最も効果的なのが、意識を集中させた極めてゆっくりとした運動です。

実践!超スロー膝曲げ伸ばし

  1. 椅子に浅く座り、リラックスする。
  2. 目を閉じ、膝の感覚に意識を集中させる。
  3. 5秒以上かけて、痛みが出ない範囲で「世界一ゆっくり」と膝を伸ばす。
  4. 完全に伸びたら、同様に5秒以上かけてゆっくりと曲げる。
  5. この動作を5回繰り返す。

ポイント:速さや大きさではなく、皮膚や筋肉の微細な感覚を味わうように集中することが、脳を再教育する鍵です。

ケーススタディ:人工関節置換術後の回復

人工関節置換術は代表的な膝の手術です。術後の回復は段階的に進み、約1ヶ月で日常生活への復帰を目指します。以下は一般的な回復期間の目安です。各フェーズの目標日数をクリックまたはタップして詳細を確認できます。

結果:患者さんの声

適切なリハビリテーションを経た多くの患者さんが、生活の質の劇的な向上を実感しています。最もよく聞かれるのは「もっと早く手術を受ければよかった」という喜びの声です。

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