第1章:鵞足炎とは何か?
膝の内側の構造「鵞足」
鵞足炎は、膝の内側にある「鵞足(がそく)」という部位で起こる炎症です。鵞足は、太ももから伸びる3つの異なる筋肉の腱が、脛の骨の一点に集まって付着している場所です。その形がガチョウの足のように見えることから、この名前が付きました。
ランニングやサッカーなど、膝の曲げ伸ばしや捻る動作を繰り返すスポーツで特に発生しやすく、腱と骨の間で摩擦が生じることが主な原因です。このガイドでは、どの筋肉があなたの痛みの原因となっているかを探ります。
鵞足を構成する「3つの筋肉」
縫工筋、薄筋、半腱様筋がチームとして機能しています。
第2章:痛みの「真犯人」を探せ
あなたの痛みがどの動きで最も強くなるかを選択してください。原因となっている可能性が最も高い筋肉(真犯人)が明らかになります。
どの動きで一番痛みますか?
ランニング
脚を後ろに振り出す時
方向転換・キック
インサイドキックなど
股関節を開く動き
あぐらやズボンを履く時
真犯人は「半腱様筋」の可能性
この筋肉は太ももの裏側にあり、アクセルを踏むような動作で使われます。骨盤が前に傾きすぎている(反り腰)と、この筋肉に過度な負担がかかりやすくなります。
真犯人は「薄筋」の可能性
太ももの内側にある筋肉で、脚を閉じる動きで働きます。体幹が不安定で体が左右にブレると、それを補うためにこの筋肉が過剰に働き、痛みの原因となります。
真犯人は「縫工筋」の可能性
骨盤から膝の内側にかけて斜めに走る、人体で最も長い筋肉です。この筋肉自体の硬さや、周囲の筋膜との癒着が痛みを引き起こしているケースが多いです。
第3章:回復へのロードマップ
根本改善のためのアプローチ比較
痛みの軽減だけでなく、再発を防ぐためには多角的なアプローチが重要です。下のグラフは、根本的な改善における各アプローチの貢献度を示したものです。体全体のバランスを整えることが、局所的なケアよりも重要であることがわかります。
回復の3ステップ
Step 3: 筋肉の連携
3筋のチームワーク改善
Step 2: 全身の調整
骨盤・体幹の安定化
Step 1: 原因の特定
痛む動きの鑑別
さらに深く“知の探検”へ
このガイドで、あなたの膝の内側の痛みの“全体像”が見えてきたはずです。その背景にある、より詳細な科学的根拠や専門家の視点にご興味のある方は、我々の“専門書”である、こちらの記事も併せてお読みください。
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