なぜ「痛み」と「体の硬さ」は治らないのか?― 全ての答えは“脳の勘違い”にあった

「なぜ、私たちの体は“痛む”のか?」
「なぜ、私たちの体は“硬い”のか?」

先日、私は「痛みの科学」と「ストレッチの科学」という、全く別のテーマを扱った2本の動画を見て、一つの衝撃的な事実に気づきました。

この、全く違うように見える2つの問いの答えが、実は、たった一つの場所——あなたの『脳』を指し示していたのです。

この記事は、その驚くべき共通点を解き明かし、あなたの不調の根本原因を理解するための、私の“思考の旅路”の記録です。そして、当院の治療哲学の、最も根幹をなす物語でもあります。

【結論】全ての不調は、「脳の“過剰防衛”」だった

「痛み」の正体は、脳の“過敏さ”

多くの慢性痛は、ケガそのものではなく、過去の痛みの「記憶」や日々の「ストレス」によって、脳そのものが痛みに対して過敏になってしまうことで生まれます。脳が、本来なら問題のないはずの信号を「危険だ!」と誤認し、痛みの警報を鳴らし続けている状態です。

「体の硬さ」の正体も、脳の“ブレーキ”

同様に、体の硬さも、筋肉が物理的に硬いのではなく、脳が「これ以上伸ばすと危険だ!」と判断し、筋肉に防御ブレーキをかけていることが主な原因です。脳が、あなたの体を守るために、良かれと思って動きを止めているのです。

院長
院長

つまり、「痛み」も「硬さ」も、その多くは、脳が、あなたの体を守るために、良かれと思って、引き起こしている「過剰防衛」なのです。その過剰防衛にしっかり耳を傾ける事が改めて重要だなと感じました。

だから、「見た目」や「安静」という常識は、もう古い

この“犯人は脳”という視点に立つと、これまでの常識がいかに一面的であったかが分かります。

常識の崩壊①:「見た目」と「症状」は、一致しない

膝が変形していても痛くない人がいるように(痛みの科学)、体が柔らかい人も、筋肉が物理的に柔らかいわけではない(ストレッチの科学)。レントゲン写真などの「見た目」だけで、あなたの不調の原因を判断することはできないのです。

院長
院長

この話は、私が、日々の臨床で、「軟骨すり減ってても痛くない人はたくさんいますよ。本当に軟骨のせいだと思いますか?」とお話ししていたことを立証してくれるものでした。

常識の崩壊②:「安静」は、むしろ“悪”である

じっとしていると、脳は偽りの痛み信号を出し始め(痛みの科学)、筋肉のパフォーマンスも低下します(ストレッチの科学)。人間の体は、「動くこと」を前提に設計されているのです。痛みや硬さは、固めることでは決して治りません。正しく動かし、脳に「安全だ」と再学習させることで、解放していくものなのです。

院長
院長

だから当院では、できる限り“動きながら”治すことを重視します。痛みは、固めて閉じ込めるものではありません。痛みのない範囲で賢く動かし、脳に「もう安全だ」と再学習させること。それこそが、本当の回復への最短ルートなのです。

【次のステップ】“脳”を知ったあなたが、次に見るべき“体の物語”

“脳”という、全ての不調の司令塔の存在を知った今、その指令が、あなたの“体”で、どのように表現されているのか、その具体的な物語を探しに行きましょう。

なぜ、痛む場所以外を治療するのか?
『運動連鎖の教科書』

体の“繋がり”の法則を知れば、なぜ膝の痛みの原因が股関節にあるのか、その全てが分かります。

なぜ、あなたの座り方は、腰痛を引き起こすのか?
『正しい座り方の教科書』

日常で、脳に“良い記憶”を刷り込むための、最も簡単で、最も効果的な方法がここにあります。

【結論】あなたの体は、“再起動”できる

私たちの体は、脳という、賢く、しかし時にはお節介な司令塔によって支配されています。その“クセ”を理解し、体を通じて、正しく対話すること。それこそが、根本改善への、唯一の道なのです。

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【今回、私の思考を整理してくれた、素晴らしい動画たち】