カテゴリー: 【院長の治療日記】

院長が日々の診療で感じたこと、印象的な症例、治療への想いなどを綴った日記です。施術の様子や院長の考え方を垣間見ることができます。

  • なぜ、病院で3度も見逃された「子どもの肘内障」を、当院は見抜けたのか?

    「レントゲンでは、異常ありませんね」

    もし、あなたが医師からこの言葉を告げられ、それでもお子さんが痛みに顔を歪めているとしたら。
    その時、親として感じるのは、安堵でしょうか。それとも、出口のない、深い不安でしょうか。

    この記事は、実際に当院であった、一つの「事件」の記録です。
    これは、単なる治療の成功事例ではありません。
    なぜ、3人もの医師が見抜けなかった真実に、私たち街の接骨院がたどり着けたのか。
    その「思考のプロセス」そのものを、包み隠さずお話しします。

    【事件の概要】原因不明の痛みと、途方に暮れた母親

    先日、当院に、一人の母親が駆け込むように相談に来られました。

    女性
    女性

    先生、旅行先で子どもがベッドから落ちて以来、腕を全く動かさなくなってしまったんです。もう何日も、この状態で…

    お話を伺うと、彼女はすでに、旅行先の大病院に2日、そして地元に帰ってきてからも、別の病院を受診していました。しかし、どの医師からも告げられたのは、同じ言葉。

    「レントゲンに異常はありません。原因は分かりません。」

    お子さんは痛がり続け、お母さんは途方に暮れていました。


    【仮説と検証】証言の矛盾点から、本当の原因を探る

    来院されたお母さんのお話は、こうでした。
    「旅行先で、子どもがベッドから落ちて以来、腕を全く動かさなくなった」

    私は、まず、その「事実」を、専門家として冷静に分析しました。
    すると、一つの「矛盾点」が浮かび上がってきます。

    「ベッドから落ちる」という衝撃だけで、肘内障が起きる典型的なメカニズムとは、少し違う。
    ここに、まだ語られていない、何か別の出来事があったのではないか?

    この矛盾点を解明するため、私は、さらに深く、当時の状況についてお話を伺いました。

    院長
    院長

    お母さん、少しだけ、当時のことを詳しく思い出していただけますか?ベッドから落ちる直前、お子さんは一人でしたか?例えば、誰かと遊んでいた、ということはありませんか?

    女性
    女性

    …ああ、そういえば。一緒に旅行していた、お友達の子と、ベッドの上でプロレスごっこのようなことをしていて…

    この新しい証言から、私は一つの「仮説」を立てました。

    「もしかしたら、本当の原因は『落下』ではなく、その直前の『遊び』の中にあるのではないか。例えば、落ちそうになったお友達を、とっさに、その腕を掴んで、引っ張り上げた。その瞬間に、肘が抜けたのではないか」

    お母さんは、その可能性にハッとされた表情を浮かべました。
    これで、私の頭の中では、ほぼ答えが見えました。あとは、この仮説が正しいかどうかを、最終的に「検証」するだけです。


    【仮説の立証】触診による、最終的な確認

    翌日、お母さんに連れられて、お子さんが来院されました。
    腕をだらんと下げ、痛がる様子。私の仮説は、より確からしいものとなっていました。

    ここから、最終的な検証に入ります。
    私は、お子さんが怖がらないように、優しく声をかけながら、その小さな肘の関節に、そっと触れさせていただきました。

    …やはり、間違いありませんでした。
    指先に、肘内障に特徴的な、橈骨頭のわずかなズレを、明確に触知しました。

    これで、全ての情報が一致しました。
    原因は、落下ではなく、肘内障です。


    【処置と結果】一瞬の整復と、その後の変化

    原因が特定できれば、あとは、あるべき場所へ戻すだけです。
    処置そのものは、ほんの短い時間で終わります。

    お子さんが怖がらないように優しく固定し、「コトン」というわずかな感触と共に、骨を正しい位置へと整復しました。

    すると、それまで痛みのために動かせなかった腕を、お子さんは、何事もなかったかのように、自然に動かし始めました。
    その様子を見て、付き添われていたお母さんも、ようやく安堵の表情を浮かべられていました。


    【考察】なぜ、肘内障は見逃されやすいのか?

    今回のケースのように、なぜ、肘内障は医療機関で見逃されてしまうことがあるのでしょうか。
    それには、いくつかの構造的な理由が考えられます。

    1. レントゲンには映らない  肘内障は、骨のズレが非常にわずかなため、レントゲン検査では「異常なし」と判断されることがほとんどです。
    2. 触診の重要性 そのため、診断には、経験豊富な専門家による丁寧な「触診」が不可欠となります。
    3. 問診の深さ  そして、「ベッドから落ちた」という最初の情報だけでなく、「その前に何をしていたか」という、詳細な状況を深く聞き出す問診が、真実を見抜く鍵となります。

    もちろん、全てのケースがこれに当てはまるわけではありません。
    しかし、もし、お子様の急なケガで、病院を受診しても原因がはっきりしない場合には、「レントゲンには映らない問題」「触診でしか分からない異常」の可能性も考え、私たちのような接骨院に、一度ご相談いただくことも、有効な選択肢の一つです。


    【結論】レントゲンに映らない真実を、見抜くために

    今回のケースから、私たちが学ぶべき最も重要な教訓。
    それは、「レントゲンは、万能ではない」という、シンプルな事実です。

    そして、そのレントゲンに映らない「真実」を見つけ出すために必要なのは、

    • 先入観なく、患者様の言葉に深く耳を傾ける「問診」
    • 経験に裏打ちされた、指先の感覚を信じる「触診」
    • そして、「なぜだろう?」と、決して諦めない「探求心」
      この3つに尽きると、私は考えています。

    もし今、あなたや、あなたの大切な人が、どこへ行っても「原因不明」と言われた痛みに、一人で苦しんでいるのなら。

    どうか、思い出してください。
    あなたの街には、レントゲン写真の向こう側にある、その痛みの「本当の理由」を、一緒に見つけ出そうとしてくれる専門家がいるということを。


    《長岡京市で、原因不明の痛みにお悩みの方へ》

    私たちは、あなたのその痛みの「本当の物語」が見つかるまで、決して諦めません。
    どんな些細なことでも構いません。まずは、あなたのお話をお聞かせください。

    \LINEでの個別相談・お問い合わせ専用です/

    個別相談専用です。こちらからの一斉配信や無駄な連絡は一切いたしません

    \お電話はこちらから/ 

    治療中など、状況によりお電話に出るまで時間がかかる、または出られない場合がございます。
  • 満面の笑みの意味。ヘルニアの劇的な回復に感動

    今週月曜日に初めて来院された学生さんがいます。彼女は同じ部活の先輩に紹介され病院でヘルニアと診断され、現在は部活動も休止しているとのことでした。

    劇的な変化に驚き

    月曜日に施術した際の身体の状態と、火曜日に施術した際の身体の状態があまりにも違っていたため、火曜日の治療後に一度身体を動かして確認してみてほしいとお願いしました。そして本日、彼女が来院。

    開口一番に「昨日動いてみたら、けっこう動けたんです!走ったりもできました!」と、満面の笑みで報告してくれました。

    私たち治療家にとって、こういう報告は本当に嬉しい瞬間です。

    「これって本当にヘルニア?」嬉しい誤算と希望

    本音を言うと、彼女は火曜日の治療後に「動いてみて」と言われた時、「いや、そんなの無理だろう」と内心思っていたそうです。しかし、恐る恐る動いてみたところ、予想以上に動けて彼女自身も驚いたとのことでした。

    来月20日の試合に間に合わせたいと最初に話してくれていたので、この調子であれば間に合いそうで何よりです。

    そして、「金曜日の部活、やってみてもいいですか?」と、火曜日まで動くのが怖いと感じていた彼女の口からこの言葉が出てきたことに、胸がいっぱいになりました。

    本当に嬉しい一日です!

    この記事をベースに書いたヘルニアの記事はこちらです。

    \LINEでの個別相談・お問い合わせ専用です/

    個別相談専用です。こちらからの一斉配信や無駄な連絡は一切いたしません

    \お電話はこちらから/ 

    治療中など、状況によりお電話に出るまで時間がかかる、または出られない場合がございます。
  • 妊娠中の腰痛ケア 当院でできることと、患者さんの喜び

    妊娠中の腰痛ケア 当院でできることと、患者さんの喜び

    妊娠中にお腹が大きくなるにつれて、腰痛に悩まされる方は少なくありません。多くの方が経験する不調であるにも関わらず、「妊娠中だから」という理由で、専門的なケアを受けられずに困っているケースも少なくないのが現状です。

    今日は、まさにそんな状況でつらい腰痛に悩まされていた妊婦さんの施術を通じて、改めてこの仕事のやりがいを感じる一日となりました。

    来院されたのは妊娠中期の方で、日々増す腰痛に苦しんでいらっしゃいました。起き上がる際や歩く時にも痛みがあり、日常生活にも影響が出ているご様子でした。以前、他の医療機関も受診されたそうですが、「妊娠中だから仕方ない」「様子を見るしかない」と、具体的な治療をしてもらえず、不安を抱えていらっしゃったと伺いました。

    お話と体の状態を丁寧に確認し、妊婦さんの腰痛に特有の重心の変化やホルモンの影響を考慮し、その方に合わせたアプローチが必要だと判断しました。

    当院では、お腹の赤ちゃんに負担がかからないよう、そしてお母さんに安心して施術を受けていただけるよう、細心の注意を払いながら進めました。例えば、[無理のない体勢での骨盤の調整]や[優しく筋肉の緊張を和らげる手技]など、妊娠中の体に適した方法を選択しています。

    施術後、患者さんから、まさにこんな言葉が出ました。「すごーい。こーしたら痛かったのに痛くなーい!もっと早く来ればよかった。」そして、お会計の際には「保険も効くからめっちゃ安いですよね!」と、とても喜んで帰られました。その安堵と喜びの表情を見たとき、私自身も心から嬉しく、この仕事の意義を深く感じることができました。

    「どこに行っても何もしてもらえなかった」という状況から、わずかでもお力になれたことは、私たちの「治すことへのこだわり」が、患者さんの希望に繋がることを示してくれたように思います。

    この長岡京市で、妊娠中の腰痛でお悩みの方、または他院で改善が見られずお困りの方が、少しでも痛みをなくし、笑顔で毎日を過ごせるよう、なかの接骨院がお手伝いできればと心から願っています。決して諦めずに、ぜひ一度ご相談ください。お一人おひとりの状態に合わせた適切なケアをご提案いたします。

    この記事を元に書いた妊婦さんの治療はこちらです。

    \LINEでの個別相談・お問い合わせ専用です/

    個別相談専用です。こちらからの一斉配信や無駄な連絡は一切いたしません

    \お電話はこちらから/ 

    治療中など、状況によりお電話に出るまで時間がかかる、または出られない場合がございます。
  • 肘の痛み

    最近立て続けに同じ肘の痛みで来院された方がおられました。
    肘を伸ばすと肘の先っちょが痛い。
    ほかにもなんか肘の周りがあっちこっち痛い気がするって症状でした。

    これは肘筋ってところが原因なのですが、口頭で説明するのは難しいのですが、前腕の肘の付け根の裏側の中心辺りから上腕の肘の部分の外側についていて、おおよそそのあたりに痛みが出るのが特徴です。
    ただ、一番わかり易いのは肘を伸ばしたときに肘の頭がどこかにぶつかったような痛みが特徴です。
    詳しくは後日Blogにします。

    そんな症状でお困りでしたら一度ご相談ください。

    \LINEでの個別相談・お問い合わせ専用です/

    個別相談専用です。こちらからの一斉配信や無駄な連絡は一切いたしません

    \お電話はこちらから/ 

    治療中など、状況によりお電話に出るまで時間がかかる、または出られない場合がございます。
  • 膝の痛み

    水泳をされている高齢の方が膝の痛みで来院されていました。
    本日満面の笑みで「膝が痛くなくなった」「ほら、屈伸しても全然だいじょうぶ」

    こういう瞬間がこの仕事をしてて嬉しい一番の時間です。

  • 院長の治療日記(引っ越し前の過去の記事)

    患者さんからの感謝の言葉や治療の成果を記録した院長の治療日記。日々の出来事や診療の様子を率直に綴り、治療の進捗や患者さんの健康を支える取り組みを共有しています。診療の裏側や院内の活気を垣間見ることができる、温かみのあるコンテンツです。

    2024年

    5月

    14日

    鼠径部の痛み
    先月から来院されていた患者さんがお礼にお菓子を持って来てくれました。
    彼女は先月から鼠径部の痛みでお悩みでしたが、治療を受けてから完全に痛みがなくなり、清々しい気分になったそうです。
    ちなみに彼女の原因は大腿神経にありました。
    このような成果を実感してくれた患者さんからの感謝の言葉が一番嬉しいです。

    6月

    11日

    膝の痛み
    本日来院された患者さんが、膝のお皿の下あたりにピリピリとした痛みを感じていました。これは姿勢不良からくるものと説明し、大腿四頭筋の筋膜リリースを行ったところ、痛みがなくなりました。
    この内容については詳しくはこちらから↓

    https://nakano-sekkothuin.com/siseihuryou-hiza
    25日

    下腿部の緊張
    昨晩、鍼灸師である奥さんと筋膜剥がしの勉強会をしました。
    下腿部にある筋膜剥がしをすべて行うと脚がすごく軽くなります。
    立ち仕事や、足がつる人、膝に痛みがある人、足底腱膜炎の人、こういう人たちにとってすごく良い治療だと感じました。
    やっぱり治療の勉強は受けるのが一番ですね。いい勉強になりました。
    今後メニュー化していきたいと思うので興味のある方はお尋ねください。

    7月

    3日

    小学5年生の腰痛
    スイミングスクールの可動域測定検査の際に仰向けで足が上げれなっかった小学5年生の男の子。ほんの数センチしか足が上がらずお母さんが心配で来院されました。
     仰向けに寝るだけでも腰が痛かったらしく、施術後は足を直角まで上げれるようになりました。本日二回目の来院でしたが、施術前から直角まで上げることができました。ただ少し痛みが残っていたようですが、施術後痛みもなくなりました。子供の治癒力はすごいですね。もし子供さんがどこか痛がっているようなら我慢させずに早めにご相談ください。
     なお、あまりにも早く良くなったため妹さんを連れてこられたのですが、X脚がひどく妹さんの方が重症でした…

    6日

    足の捻挫と松葉杖
    6月3日に足の捻挫で歩けない方が来られました。
    久しぶりに松葉杖が必要な方で松葉杖の貸出を行いました。
    3日の治療で歩けるようになり本日松葉杖を返却していただきました。
    足がつけないと来るのは大変だと思いますが、できるだけ早期に治療を開始する方が早く良くなります。
    また松葉杖の貸出も無料で行っていますので、ぜひご活用ください。

    8月

    2日

    頚椎症
    整形で頚椎症と診断された方。
    整形で牽引してもらうとひどくなるんですけど先生に牽引してもらうと良くなるんですって言ってもらえました。
    牽引機ってただただひっぱるだけですもんね。
    柔道整復師は手で触った感覚で圧をかけたい所にピンポイントで圧をかけられるのがメリットです。

    22日

    ぎっくり背中
    ぎっくり腰の背中版みたいなのになって、仕事前に来ましたと来院されました。
    予約がいらない所さがして当院に来院してくださったそうです。
    ぎっくり系で予約しないと行けないのは大変ですもんね。
    痛みもほぼ取れた状態でお仕事にいかれました。
    急な症状でお困りの際は気軽に来院してくださいね。

    2025年

    3月

    18日

    腰の痛みで困らなくなった
    今日久しぶりに来院された患者さんに「今まで度々腰痛で困っていたのに、あるき方を教えてもらってから全然腰痛にならなくなりました。」と、言われました。これは治療かとしてすごく嬉しいことです。
    これからも一人でも痛みで困る人を助けられたら良いなって思う一日でした。

  • マイナンバー保険証導入で見えた現場の課題:接骨院院長の本音

    マイナンバー保険証導入で見えた現場の課題:接骨院院長の本音


    はじめに

    こんにちは、接骨院を運営している院長です。最近話題のマイナンバー保険証、実際に導入してみて感じたことをお話しします。

    導入してみて分かった現実

    今日、マイナンバー保険証の導入を試みましたが、予想外の壁にぶつかりました。カードの読み取りはできても、レセプトコンピューターへの転送ができず、使用できない状態です。

    思わぬ落とし穴:デジタル化の中のアナログ作業

    驚いたのは、カードから住所情報が読み取れないこと。患者さんに別途住所を書いてもらい、手動入力する必要があります。これでは効率化どころか、逆に手間が増えてしまいます。

    制度の不完全さ

    自治体独自の保険証は今まで通り紙媒体で発行され、マイナンバーカードを持たない人には従来の保険証が配布されます。政府の掲げる「紙媒体廃止」とは裏腹に、紙の保険証は残り続けそうです。

    メリットとデメリット

    メリットとしては、保険証切り替えの早期化や将来的な医療情報の共有化が挙げられます。一方で、現状では運用の手間やシステム導入コスト、プライバシーの懸念など、デメリットも少なくありません。

    おわりに

    デジタル化の目的は効率化のはずですが、現状では逆に負担が増えている印象です。システムの改善と運用方法の見直しが急務だと感じています。

    皆さんは、マイナンバー保険証についてどう思いますか?ご意見をお聞かせください。