「病院のMRIでは『ヘルニアは軽度だから、これがしびれの原因とは言い切れない』と言われた。でも、指先がビリビリする…」
「痛み止めとビタミン剤(メコバラミン)を飲んでいるけれど、一向にしびれが引かない…」
交通事故の後、こうした「原因のはっきりしない、しつこい手のしびれ」に悩み、不安な日々を過ごされている方は非常に多いです。

「神経が切れてしまったのではないか?」と心配される方もいますが、多くのケースではそうではありません。
実は、「首(骨)」以外の場所で、神経が「筋肉」に締め付けられているケースが圧倒的に多いのです。
この記事では、レントゲンには映らないしびれの正体(絞扼性神経障害)と、薬やマッサージだけでは届かない、神経の通り道を解放する「根本治療」について、解剖学の視点から解説します。
そのしびれ、本当に「首(ヘルニア)」が原因ですか?
病院では、しびれがあるとまず「首(頚椎)」を疑います。もちろん、事故の衝撃で頚椎椎間板ヘルニアになることはありますが、画像診断で「異常なし」あるいは「年相応」と言われた場合、犯人は「首」ではありません。
神経は「長いホース」のようなもの
神経を「水の流れるホース」に例えてみましょう。
首は「蛇口」です。蛇口(首)が壊れていなくても、ホースの途中を誰かが足で踏んでいたら、水(神経伝達)は止まってしまいますよね?
事故の衝撃で、これらの場所にある筋肉がガチガチに固まり、その下を通る神経を締め付けて(絞扼して)しまっている。これが、レントゲンに映らないしびれの正体、「胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)」と呼ばれる状態の可能性が高いのです。
意外な黒幕「筋肉による神経圧迫」のメカニズム
「なぜ、腕や指先がしびれるのに、胸の筋肉が関係あるの?」と思われるかもしれません。
しかし、解剖学的に見ると、腕に行く神経(腕神経叢)は、首から出て、鎖骨の下を通り、胸の筋肉の下をくぐって腕へと伸びています。
事故の衝撃 × 猫背 = 神経の窒息
交通事故、特にむちうちになると、防御反応で首や肩がすくみ、極度の「猫背・巻き肩」状態になります。
- 斜角筋(しゃかくきん)の緊張:首を支える筋肉が硬くなり、根元で神経を絞めつける。
- 小胸筋(しょうきょうきん)の短縮:巻き肩になり、胸の奥の筋肉が神経を圧迫する。
つまり、「全身の運動連鎖」が崩れ、姿勢が悪くなることで、神経の通り道が物理的に狭くなっているのです。この「圧迫」を取り除かない限り、いくらビタミン剤を飲んでも、しびれは改善しません。
体の「繋がり」を知れば、なぜ胸の筋肉が腕のしびれに関係するのかが分かります。
→ 【当院の治療哲学】なぜ、痛む場所以外も施術するのか? ― 運動連鎖の全貌
危険!しびれがある時に「やってはいけないこと」
しびれを治そうとして、良かれと思ってやっていることが、実は逆効果になっているケースが多々あります。
なかの接骨院の「神経リリース」アプローチ
当院では、電気を当てるだけの治療は行いません。解剖学に基づいた徒手療法で、物理的に神経を解放(リリース)します。
① 絞扼ポイントの特定とリリース
「ジャクソンテスト」や「ライトテスト」などの徒手検査を行い、どこで神経が挟まっているかを特定します。その上で、硬くなった斜角筋や小胸筋に対し、指先でピンポイントにアプローチし、筋肉の拘縮を解きます。
② 神経の「滑走性」を改善する
神経は、筋肉の間をスルスルと滑るように動くのが正常です。事故の衝撃で癒着してしまった神経と周囲の組織(筋膜)を丁寧に剥がし、神経がスムーズに動ける環境を取り戻します。
③ 姿勢改善で「通り道」を広げる
最終的には、神経の通り道を狭くしている根本原因である「猫背・巻き肩」を矯正します。胸郭を開き、肩甲骨の位置を正すことで、神経への負担が掛かりにくい体を作ります。
【結論】しびれは「神経の悲鳴」。諦めずにご相談ください
手のしびれは、目に見えない分、患者様にとって非常に大きなストレスとなります。
「このまま治らないのではないか」と不安になる気持ち、痛いほど分かります。
しかし、「原因のないしびれ」はありません。
画像には映らなくても、筋肉や筋膜のどこかに必ず原因があります。
もしあなたが、薬を飲んでも変わらないしびれに悩んでいるなら、ぜひ一度、なかの接骨院にご相談ください。解剖学に基づいたアプローチで、あなたの神経を「解放」し、不安のない生活を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
この記事では【交通事故後の手のしびれ】について詳しく解説しました。事故直後の正しい行動から、他の症状、保険の知識まで、交通事故治療の全体像については、以下の『教科書』で網羅的に解説しています。ぜひ、併せてご覧ください。
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