なぜ、あなたの痛みは治らないのか?― 最新研究で解き明かされる「痛みの、本当の姿」

「マッサージしても、また元通り…」
「レントゲンで異常なしと言われたのに、この痛みは何なんだ…」
「手術を勧められたけど、本当に治るんだろうか…」

長年、痛みに苦しむあなたが、一度は抱いたことのある、その不安。
もし、その「治らない原因」が、私たちが信じてきた「痛みの常識」そのものの、間違いにあるとしたら…?

この記事では、痛み研究の第一人者の科学的知見を元に、私たちの常識を根底から覆す「痛みの新常識」と、それに基づいた“当院の治療哲学”について、その全てを解説します。

この記事は「痛みの科学」に特化した専門解説です。なぜ、この話が「体の硬さ」の問題と繋がるのか?その根底にある、より大きな“哲学”に興味がある方は、まずこちらの司令塔ページからお読みいただくと、より深く楽しめます。
【体の新常識】なぜ、痛みと柔軟性の“答え”は、同じ場所(脳)にあるのか?

【常識の崩壊①】
「見た目(画像診断)」と「痛み」は、全くの別物である

最新の研究が示す衝撃的な事実の一つは、「レントゲンやMRIの見た目」と「患者様が感じる痛み」は、必ずしも一致しない、ということです。

  • 事実①:膝が激しく変形していても、実際に痛みを訴えるのは3人に1人程度。
  • 事実②:腰椎ヘルニアが見つかっても、全く症状がない人も大勢いる。
院長
院長

これは、私が日々の臨床で常に感じていることです。だからこそ、私たちはレントゲン写真という「静止画」だけで判断せず、あなたの「動き」と「物語」に深く向き合います。その痛みが、本当に軟骨やヘルニアのせいなのか、一緒に見極めていきましょう。

【常識の崩壊②】
本当の“犯人”は、あなたの「脳」かもしれない

では、私たちの体を悩ませる「痛み」の正体とは、一体何なのでしょうか。最新の科学は、痛みの原因を大きく3つに分類しています。

1

① 侵害受容性疼痛
(いわゆる“ケガ”の痛み)

捻挫や打撲など、体の組織が物理的に損傷し、その場所から「痛い!」という信号が脳に送られる、最も分かりやすい痛みです。

2

② 神経障害性疼痛
(“神経”そのものの痛み)

痛みの原因が、体の損傷部位ではなく、脳へと繋がる「神経」そのものが傷ついたり、圧迫されたりすることによる痛みです。ヘルニアによる足のしびれなどが、これにあたります。

3

③ 痛覚変調性疼痛
(“脳と心”が生み出す痛み)

そして、多くの慢性痛の本当の原因となっているのが、この最も複雑な痛みです。体には明確な損傷がないにも関わらず、過去の痛みの「記憶」や、日々の「ストレス」によって、「脳」そのものが痛みに対して極度に過敏になってしまうことで発生します。脳が「痛みの回路」を暴走させ、本来なら痛みとは感じないような、ごくわずかな刺激さえも「激痛」として認識してしまうのです。

【当院のアプローチ】
“脳のバグ”を、どう修正するのか?

脳が過敏になっているからといって、精神論で解決するわけではありません。私たちは、“体からのアプローチ”によって、脳の誤作動を修正していきます。

アプローチ①
筋膜リリース・関節モビライゼーション

まず、痛みの原因となっている組織の癒着や関節の歪みを、私たちの“手”で解放します。これにより、そもそも脳へ送られてしまう“不快な信号”そのものを、根本から減らします。

アプローチ②
運動療法による、神経筋再教育

次に、正しい体の使い方を、体に、そして“脳”に、再学習させます。「この動きは、もう痛くないんだよ」という成功体験を安全に積み重ねることで、脳の過剰な防御ブレーキを、一つずつ解除していくのです。

アプローチ③
運動連鎖(キネティックチェーン)の視点

そして、なぜ脳が過敏にならざるを得なかったのか、その根本原因である全身の歪みを見つけ出し、修正します。痛む場所だけを追いかける対症療法では、本当の意味で脳を安心させることはできません。

【結論】
あなたの「痛みの物語」に、寄り添う

あなたの痛みは、決して「気のせい」ではありません。それは、ケガ、神経、そして脳と心が複雑に絡み合った、あなただけの「物語」です。

私たちの仕事は、単に「ケガ」を治すだけではありません。その「痛みの物語」に深く耳を傾け、二人三脚で、その複雑な結び目を解き明かしていくこと。それこそが、私たちが目指す、本当の根本改善です。

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【出典・参考文献】