【プロが全解説】接骨院での“謎のサイン”と、後日届く“調査”の正体|保険手続きの全貌

ある日、あなたの元に、見慣れない封筒が届きます。
差出人は、健康保険組合。中には「柔道整復師(接骨院、整骨院)での受診内容について」と書かれた、少し硬い文章の書類が。

「…なにか、悪いことをしてしまったのだろうか?」
「もしかして、あの接骨院は、何か不正を…?」

一瞬、そんな不安がよぎるかもしれません。
そして、ふと、思い出すのです。

「そう言えば、施術の後に、いつも書いていた“あのサイン”は、一体何だったのだろう?」

こんにちは、長岡京市のなかの接骨院です。
もし、あなたがそんな“漠然とした不安”や“小さな疑問”を感じたことがあるなら、この記事は、あなたのためのものです。

そのサインも、届くかもしれない手紙も、決して怪しいものではありません。
それは、あなたが安心して、そして正しく保険を使って治療を受けるための、大切な“約束”の証なのです。

さあ、その「約束」の全貌を、一緒に見ていきましょう。

【第1章】驚きの真実 “謎のサイン”の正体は、私達からの「無報酬サービス」への信頼の証

なぜ、接骨院では窓口での支払いが数百円程度で済むのでしょうか。
その秘密が、あなたが施術後に何気なくしているサイン、「受領委任制度」にあります。

これは、本来であれば、あなたが治療費の全額(10割)を支払い、後日ご自身で役所へ行って7割分を返してもらう、という非常に面倒な手続きを、私たち接骨院が、あなたに代わって“無報酬”で行いますよ、という制度です。

つまり、あのサインは、この「保険請求の代行サービス」に対する、あなたからの「信頼の証」なのです。

補足

そもそも、どんな症状に保険は使えるの?
この記事では、保険の「手続き」について解説していますが、「そもそも、自分のこの痛みは保険の対象になるの?」という“原則”について知りたい方は、まず、以下の記事からお読みいただくことをお勧めします。

接骨院の保険適用|「使える痛み」「使えない痛み」を分ける、たった一つの“原則”


【第2章】なぜ“白紙”なのか?現場が抱えるジレンマと、信頼の重み

「でも、私がサインをするのは、いつも月初めの、最初の来院時だ。まだ、その月に何回通うかも決まっていないのに…」

その通りです。
あなたがしてくださっているサインは、未来の施術内容がまだ書かれていない、いわば「白紙の委任状」なのです。

本来であれば、月末に全ての内容を確定させてからサインを頂くのが理想です。しかし、それは、あなたに、サインのためだけにもう一度足を運んでいただくという、大きな“手間”をかけてしまいます。

この制度の「窓口負担を最小限に」というメリットを最大限に活かすためには、どうしても「月初めに、未来の施術に対する信頼をいただく」という、この方法を取らざるを得ないのです。

だからこそ、私たちは、その白紙の委任状に込められた、あなたの信頼の重みを、一日たりとも忘れることはありません。


【第3章】ほぼ必ず届く“調査”の正体と、その“過酷な現実”

この信頼関係が悪用された過去もあり、施術から数ヶ月後、あなたの元へ保険組合から「患者照会」という書類が届くことがあります。

かつては稀でしたが、現在では、国民健康保険以外のほとんどの保険組合で、ほぼ必ず送られてくると考えて間違いありません。

しかし、ここからが、この制度が抱える“過酷な現実”です。
残念ながら、正式な調査用紙とは別に、医療費の赤字がいかに深刻かを訴える文章や、巧みにあなたの通院を控えさせようとするような、注意喚起の用紙が、同封されていることがあるのです。ひどい場合には、あなたの職場にまで直接、問い合わせの電話が入ることさえあります。

「怪我をして、正しく保険を使っているだけなのに、なぜ、こんな思いを…」

もし、あなたがそのような理不尽な調査を受け、不安や怒りを感じたなら、どうか一人で悩まず、その書類を持って、施術を受けた接骨院に相談してください。それは、あなたの権利です。

私たち「なかの接骨院」は、(社)京都府柔道整復師会の正規会員です。万が一、度を超した照会があった場合には、業界団体として、あなたの代わりに声を上げることもできます。

そして、「もう面倒だから、自費でお願いしたい」とおっしゃる方の背景にある、この過酷な現実を、私たちは痛いほど理解しています。だからこそ、私たちは、そんなあなたのための“もう一つの道”を用意しています。

【長岡京市の整体探しの方へ】なぜ、国家資格者の本格施術が“破格の1,500円”で受けられるのか?


よくある質問

Q
患者照会の回答を間違えてしまった場合はどうなりますか?
A

ご心配は無用です。万が一、記憶違いなどで事実と異なる内容を記入してしまっても、当院には正規の施術録(カルテ)が保管されています。保険者から問い合わせがあれば、その記録に基づき、私たちが責任を持って正確な事実を証明・説明いたしますので、ご安心ください。

Q
患者照会の内容について確認したい場合はどうすればよいですか?
A

ぜひ、ご遠慮なく当院へご相談ください。書類をお持ちいただければ、カルテと照らし合わせながら、内容の確認をお手伝いいたします。お電話やLINEでのご相談も、もちろん大歓迎です。

Q
この情報でプライバシーは守られますか?
A

はい、守られます。患者照会で得られた情報は、療養費の審査という目的以外で利用されることは、法律で固く禁じられています。

【結論】その一枚の紙が、問いかけているもの

「サイン」から「患者照会」まで、その複雑な仕組みをご理解いただけたでしょうか。

最後に、もう一つの“知っておいていただきたい現実”があります。
あなたが受け取るその患者照会、実は、保険組合から業務を“委託”された、全くの第三者である民間業者が作成・送付しているケースがほとんどです。

「自分の通院歴という個人情報が、同意なく第三者に…?」
そう思われるかもしれません。法律には「委託」の場合、本人の同意は不要とするルールが存在します。

しかし、そのルールがあるからといって、あなたがご自身の情報が知らないうちに共有されている事実に、一抹の不安や違和感を覚えるのは、当然の感情です。

私たちは、この仕組み自体を、ここで一方的に断罪するつもりはありません。
しかし、過去には、この患者照会という仕組みが、あまりにも厳しく運用された結果、正当な治療を受けるべき患者様が、通院をためらってしまうという、悲しい“罪”を生んだ歴史があったことも、事実なのです。

だからこそ、私たちは、この記事を書いています。
あなたが一人の当事者として、この“現実”を知り、「本当に、このままで良いのだろうか?」と、その心に生まれた小さな疑問を、大切にしていただくこと。

それが、私たち施術者と、あなた自身を守る、最初の、そして最も重要な一歩になると、信じているからです。

もし、あなたが受け取った照会内容に、少しでも理不尽を感じたり、不安を覚えたりした際には、どうか一人で悩まず、私たち専門家にご相談ください。私たちは、あなたの正当な権利を守るために、共に考え、行動します。

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この記事では「患者照会」について詳しく解説しました。
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