【親の歩き方が心配な方へ】膝がガクッとなる、頭を振って歩く…その原因は筋力不足ではなく「膝裏のロック不全」でした


歩行中に突然膝がガクッとなって転びそうになり、驚いている高齢女性。「膝がガクッとなる」「筋力不足ではありません」というコピーが書かれた、長岡京市なかの接骨院の専門解説記事のアイキャッチ画像。

「最近、お母さんの歩き方が変わった気がする…」
「頭を左右に振って、まるでペンギンのようにふらふら歩いている。今にも転びそうで、見ていてハラハラする…」

もし、ご高齢のご家族の歩き方に、このような変化を感じているなら。あるいは、ご自身が「歩いていると、急に膝がガクッとなって怖い」と感じているなら。

院長
院長

それは単なる「老化」や「筋力不足」ではありません。
「膝がガクッとなる恐怖」から、無意識に身につけてしまった「危険な回避行動」である可能性が高いのです。

この記事では、変形性膝関節症の患者様によく見られる「膝折れ(ひざおれ)」の本当の原因と、ご家族が知っておくべき「転倒を防ぐための正しい対処法」について、専門家の視点で解説します。

なぜ、膝は急に「ガクッ」となるのか?

「しっかり歩きたいのに、急に力が抜けてしまう(Giving Way)」
この現象の正体は、膝関節が持っている「ロック機能」の故障です。

健康な膝の「スクリューホームムーブメント」

私たちの膝は、単なる蝶番(ちょうつがい)ではありません。
完全に伸び切る直前に、スネの骨が外側にクルッと回って、骨同士が「カチッ」と噛み合う構造になっています。これを専門用語で「スクリューホームムーブメント」と呼びます。

ロック(安定)と解除(可動)

  • 立つ時(ロック): 膝が伸び切ってロックされるため、少ない筋力で安定して立てる。
  • 歩く時(解除): 膝裏にある「膝窩筋(しつかきん)」という筋肉が働き、ロックを解除して膝を曲げ始める。

変形性膝関節症の方に起きている「悲劇」

しかし、膝に変形がある方の多くは、この「鍵屋さん(膝窩筋)」がガチガチに固まってしまい、うまくロックを解除できません。

ロックがかかったまま無理やり曲げようとして、ある瞬間に「バチン!」と鍵が壊れるようにロックが外れる。
これが、膝が「ガクッ」となる衝撃の正体です。

恐怖が生む「頭を振る歩き方」の正体

一度でもこの「ガクッ」を経験すると、脳には強烈な恐怖心が刻み込まれます。
「また力が抜けたらどうしよう…転んでしまう…」

その恐怖心から、患者様は無意識に「膝を曲げない(ロックを外さない)」という戦略をとるようになります。

「ふらふら歩き」のメカニズム

  1. 膝を棒にする: 膝を曲げると怖いので、突っ張ったまま歩こうとする。
  2. 足が出ない: 膝が曲がらないと、足は前に出にくい。
  3. 頭を振って代償する: 足を前に出すために、上半身(頭)を左右に大きく振って、その反動で足をぶん回すようになる。

ご家族から見て「ふらふらしている」「急に歩き方が老け込んだ」と感じる原因は、筋力が落ちたからではなく、この「恐怖による代償動作(デュシェンヌ歩行)」なのです。


【ご家族の方へ
こんなサインはありませんか?
  • 最近、歩くのが急に遅くなった
  • 歩くとき、上半身を左右に揺らしている
  • 立ち上がる時、膝に手を当てて「よいしょ」と言う
  • 「階段が怖い」と言って、エスカレーターを探すようになった

※1つでも当てはまったら、転倒予備軍です。

被害は「足首」へ拡大する(運動連鎖の罠)

この歩き方を続けていると、問題は膝だけでは済みません。
膝を棒にしてドスンドスンと着地するため、本来膝が吸収すべき衝撃が、すべて「足首」と「股関節」にダイレクトに伝わります。

  • 足首の変形: 膝がねじれたまま固まると、運動連鎖によって足首も内側に倒れ込み(回内足)、扁平足が進みます。
  • つまづきのリスク増: 足首が硬くなるとつま先が上がらなくなり、わずかな段差でも転倒しやすくなります。

「膝が悪いと思っていたら、いつの間にか足首も痛くなっていた」というのは、この負の連鎖が原因です。

当院の解決策:鍛える前に「ロック機能」を直す

「足が弱っているから筋トレをしましょう」
これは、ロックが壊れた自転車を無理やり漕がせるようなものです。余計に膝を壊してしまいます。

なかの接骨院では、筋トレの前にまず「膝がスムーズに動く環境」を作ります。

① 膝窩筋(しつかきん)のリリース

膝裏の奥深くで固まっている「鍵屋さん(膝窩筋)」に対し、専門的な手技でアプローチ。筋肉の癒着を剥がし、スムーズな「ロック解除」ができるようにします。

② 足首の調整(運動連鎖の修正)

膝のねじれに伴って固まった足首の関節(距骨下関節など)を調整します。足裏が地面にピタッとつく感覚を取り戻すことで、ふらつきを劇的に減らします。


ご高齢の方がふらふら歩いてしまうのは、筋力がなくなったからではありません。
「ガクッとなるのが怖い」という脳のブレーキが、自然な歩き方を邪魔しているのです。

膝窩筋を緩め、ロック機能が正常に働くようになれば、「体重をかけても大丈夫だ」という安心感が生まれます。
その安心感さえ戻れば、特別な筋トレをしなくても、日々の生活の中で自然と足腰は強くなっていきます。

「最近、親の歩き方が心配だ」
そう感じたら、転倒して骨折してしまう前に、ぜひ一度なかの接骨院にご相談ください。
私たちが、お母様・お父様の「安心して歩ける足」を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

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