投稿者: 中野 雄太

  • 足底腱膜炎とは?朝のかかとの痛みに要注意!原因からケアまで徹底解説

    足底腱膜炎とは?朝のかかとの痛みに要注意!原因からケアまで徹底解説

    こんにちは。今日は多くの方が悩まれている「朝のかかとの痛み」について、詳しくお話しします。実は、この症状の裏に隠れているのが「足底腱膜炎」という厄介な問題なんです。でも心配しないでください。この記事を読めば、その原因から治療法まで、すべてがクリアになりますよ。

    足底腱膜炎とは?

    足底腱膜炎は、足の裏にある足底腱膜が炎症を起こすことにより生じる疾患です。特に朝、起きた直後の痛みが特徴で、長時間の立ち仕事や運動後に痛みが強まることも多いです。

    朝一番に歩き始めるときに痛みが強く、ぎこちない歩き方になることがあるため、「あ、私も…」と共感できる方も多いでしょう。この状態を放置していると症状が悪化する可能性があるため、早めの対処が必要です。

    足底腱膜炎の痛み
    足底腱膜炎の痛み

    足底腱膜炎の原因

    足底腱膜炎とふくらはぎの関係

    足底腱膜炎は、足底腱膜に過度な負担がかかることが主な原因です。しかし、その裏には意外な要因が隠れています。実は、ふくらはぎ周辺の特定の筋肉が大きく関与しているのです。

    原因詳細
    運動や長時間の歩行ランニングやジャンプなど、足に負荷をかける動作が足底腱膜を酷使します。
    偏平足やハイアーチ足のアーチが崩れていると、足底に過剰な負担がかかりやすくなります。
    硬い地面での活動硬い地面での立ち仕事や歩行が足底を過度に刺激します。
    体重の増加体重が増えることで、足底腱膜への負荷が増大します。
    ふくらはぎ周辺の筋肉の問題後脛骨筋、長腓骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋といった筋肉の硬直や弱化が関与します。

    これらの筋肉は、足底や踵でクロスしており、足の安定性を高める重要な役割を果たしています。これらに問題が生じると、足底腱膜に過度な負担がかかり、炎症を引き起こす可能性があるのです。

    ふくらはぎ周辺の筋肉と足底腱膜炎の深い関係

    実は、足底腱膜炎の原因の多くはふくらはぎ周辺の特定の筋肉に関連しています。具体的には以下の筋肉が重要な役割を果たしています:

    1. 後脛骨筋: 足首の内側を支え、足のアーチを維持する役割があります。
    2. 長腓骨筋: 足首の外側を支え、横アーチの維持に貢献します。
    3. 長母趾屈筋: 親指を曲げる筋肉で、歩行時の踏み込みをサポートします。
    4. 長趾屈筋: 2〜5指を曲げる筋肉で、歩行時のバランスを保つ役割があります。

    これらの筋肉は、足底や踵でクロスしており、足の安定性を高める重要な役割を果たしています。これらの筋肉に問題が生じると、足底腱膜に過度な負担がかかり、炎症を引き起こす可能性があるのです。

    足底腱膜炎の特徴的な症状

    足底腱膜炎の最も特徴的な症状は朝起きたときの強いかかとの痛みです。以下のような場面で痛みを感じることが多いです。

    • 朝、最初の数歩で痛みを感じる
       特に朝の歩き始めにかかとが痛むことが多く、ぎこちない歩行になることがあります。この痛みは数分以内に和らぐことが多いものの、日中も再発する可能性があります。
    • 長時間の立ち仕事後や運動後の痛み
       足底に負荷がかかることで、かかとや土踏まずに痛みが現れます。

    足底腱膜炎の治療・ケア方法

    足底腱膜炎の治療には、まずは保存療法が主に用いられます。次に、症状に応じてマッサージガンやフォームローラー、超音波治療といった治療が効果的です。

    治療法説明
    休息とアイシング炎症を抑えるために、負担のかかる動きを控え、アイシングを行います。
    ストレッチとマッサージ足底やふくらはぎを伸ばし、筋肉の柔軟性を保つことが重要です。朝起きる前にベッドでできるストレッチも有効です。
    フォームローラー・マッサージガン足底やふくらはぎに対して筋膜リリースを行うことで、炎症や緊張を緩和します。足底専用のフォームローラーを使うと効果的です。
    超音波治療超音波治療は、深部の組織にまでアプローチし、炎症を抑えます。当院でも使用しています。
    靴の改善クッション性が高い靴や、アーチをサポートするインソールを使用することで、負担を軽減します。

    自宅でできるケアと予防法

    日常生活でできる予防やケアとして、足底腱膜への負担を減らすことが重要です。次の表は、足底腱膜炎の予防とケアに役立つポイントをまとめたものです。

    ふくらはぎのストレッチ
    1. ふくらはぎのストレッチ: 壁に手をついて、片足を後ろに引き、かかとを床に押しつけるようにして、ふくらはぎを伸ばします。これを左右両足で行い、筋肉の柔軟性を高めましょう。
    2. ふくらはぎのマッサージ: テニスボールやマッサージボールを使って、ふくらはぎ下部をほぐします。足を床に置いた状態でボールを転がすことで、筋肉をリラックスさせます。

    予防法説明
    適切な靴の選択足底をサポートする靴やインソールを選び、衝撃を吸収します。
    定期的なストレッチ足底腱膜やふくらはぎをストレッチし、柔軟性を保つことで負担を減らします。
    体重管理体重が増えると足底腱膜に負担がかかるため、適正体重の維持が重要です。
    フォームローラーやマッサージガンの使用筋膜リリースを日常的に行うことで、硬直を防ぎ、痛みを軽減します。

    当院の治療・ケアサポート

    当院では、足底腱膜炎に対する包括的なケアを提供しています。超音波治療専用のフォームローラーを使用し、患者様の症状に合わせたアプローチを行っています。

    特に、柔道整復師による施術は、これらの複雑な筋肉の関係を理解し、総合的にアプローチすることができるため、最も効果が高いとされています。

    また、自宅でのセルフケアもサポートしており、ストレッチや筋膜リリースのアドバイスも行っています。一人ひとりの生活スタイルに合わせた、オーダーメイドのケアプランを提案いたします。

    まとめ

    足底腱膜炎は、日常生活での長時間の負担や長距離走などが引き金となり、発症することが多い疾患です。しかし、その原因は単に足底だけでなく、ふくらはぎ周辺の筋肉にも関係していることがわかりました。

    適切なケアや予防を行うことで、症状を和らげることができます。日常生活でのストレッチや適切な靴選びに加え、当院での専門的な治療を活用して、症状の改善を目指しましょう。

    足の痛みは生活の質を大きく下げてしまいます。でも、正しい知識と適切なケアがあれば、快適な毎日を取り戻すことができます。少しでも気になる症状がある方は、ぜひお早めにご相談ください。あなたの健やかな歩みをサポートいたします。

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    【30秒でわかる比較表】接骨院・整形外科・整体院の違い|あなたのその痛み、どこへ行くのが正解?

    「この痛み、どこへ行けばいいの?」
    街に溢れる「接骨院」「整形外科」「整体院」。見た目は似ていても、その中身は全くの別物です。
    もし、この違いを知らずに安易に選んでしまうと、回復が遅れたり、思わぬ費用がかかったりするかもしれません。

    この記事では、国家資格を持つ専門家が、あなたのその悩みに「まず結論から」お答えします。30秒で全体像を掴み、さらに詳しく知りたい部分だけを読み進められる、実践的な比較ガイドです。

    【結論】もう迷わない!30秒でわかる比較一覧表

    まず、忙しいあなたのために結論から。以下の表さえ見れば、それぞれの本質的な違いが一目で分かります。

    接骨院・整形外科・整体院 比較一覧表

    接骨院・整骨院整形外科整体院・カイロ
    信頼性の根拠(資格)柔道整復師
    (国家資格)
    医師
    (国家資格)
    民間資格 or 無資格
    何をしてくれる?
    (できること)
    ケガへの施術
    手技・物理療法
    応急処置・固定
    診断・検査(レントゲン等)
    医療行為(投薬・注射・手術)
    体のバランス調整
    リラクゼーション
    (医療行為は不可)
    お金の話①
    (保険は使える?)
    ケガ(急性・亜急性)に限り、使えるほとんどの治療に使える一切使えない
    (全額自費)
    お金の話②
    (料金の目安)
    数百円〜千円台
    (保険適用時)
    数千円〜
    (検査内容による)
    数千円〜数万円
    (院によって様々)
    どんな時に行く?
    (得意な症状)
    ぎっくり腰・寝違え
    捻挫・打撲・肉離れ
    交通事故のむち打ち
    骨折・脱臼の確定診断
    ヘルニア・リウマチなど
    原因不明の痛み
    慢性的な肩こり・腰痛
    姿勢改善・骨盤矯正
    疲労回復・癒やし

    【最重要メッセージ】急な痛みや原因不明の不調なら、まず「接骨院」へご相談ください

    表を見て「結局、私の場合は?」と迷われた方へ。
    私たちからの最も重要なメッセージは、「もし、急なケガや痛みの原因がはっきりしない不調でお困りなら、まずは私たち接骨院を『最初の相談窓口』として頼ってほしい」ということです。

    なぜなら、私たちはレントゲンには映らない筋肉や関節の問題を見つけ出すプロであり、必要であれば最適な医療機関(整形外科)への「つなぎ役」も責任を持って果たせるからです。一人で悩まず、まずはお話をお聞かせください。

    もっと詳しく知りたい方へ|3つの違いを深掘り解説

    ここからは、比較表の内容をさらに深く理解したい方のために、それぞれの違いを「資格」「できること」「お金」という3つの視点から、詳しく解説していきます。興味のある項目を選んでお読みください。

    【違い① 信頼性の根幹】「国家資格」があるかないか

    全ての“違い”の根源は、施術者が「国の認めた資格」を持っているかどうかにあります。これが、信頼性の絶対的な基準です。

    • 整形外科 → 医師(医師免許) 6年制の大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格。医療の全てを行える、体の最高権威。
    • 接骨院・整骨院 → 柔道整復師(国家資格) 専門の養成校で3年以上学び、国家試験に合格。「ケガ」への施術に特化した、国の認めた専門家。
    • 整体院・カイロプラクティック → 資格不要(民間資格) 公的な資格は一切不要。数日のセミナーを受けただけでも開業可能。知識や技術は、まさにピンからキリまで存在します。
    院長
    院長

    私たち柔道整復師は、こうした体の専門知識を学んでいます。ちなみに、専門知識といえば、皆さんがよく誤解している“複雑骨折”という言葉の本当の意味、ご存知ですか?」
    → 複雑骨折の記事へのリンクを設置

    【違い② 具体的な役割】「何をしてくれるのか」の明確な境界線

    資格が違うから、できることも全く違います。これを混同するのが、間違いの始まりです。

    • 整形外科“だけ”ができること
      • 診断: あなたの痛みの原因を「〇〇病」と法的に断定できるのは医師だけです。
      • 精密検査: レントゲン、MRI、CT、血液検査など。
      • 医療行為: 投薬(痛み止め、湿布)、注射、手術。
    • 接骨院・整骨院ができること
      • ケガへの施術: 手技による筋肉・関節へのアプローチ、電気などの物理療法。
      • 応急処置と固定: 骨折や脱臼の応急処置、テーピングや包帯による的確な固定。
    • 整体院が“してはいけない”こと
      • 上記の「診断」「医療行為」は一切できません。それを行うと法律違反となります。「骨盤の歪みを治す」といった表現も、厳密には診断行為と見なされる可能性があります。

    【違い③ お金の話】保険は使える?料金はいくら?

    皆さんが一番気になるところであり、最もトラブルになりやすい部分です。


    結論の要約

    保険が使えるのは「接骨院(ケガの場合)」と「整形外科」。整体は全額自費です。ただし、接骨院の料金は一見分かりにくいという問題も…。その“本当の理由”と、誠実な院を見抜く方法は、以下の専門記事で全て暴露しています。
    『「接骨院は高い」は本当?料金が“分かりにくい”問題の、本当の答え

    【実践編】症状別・あなたに最適なのは、ここだ!

    では、具体的な症状別に、あなたが最初に行くべき場所を、理由と共にご案内します。

    ケース① ぎっくり腰、寝違え

    結論 → まずは「接骨院」へ。 炎症を抑え、筋肉の緊張を和らげる、まさに専門分野です。

    ケース②:五十肩、ヘルニア、リウマチなどの疑い

    結論 → まずは「整形外科」へ。 病気の可能性を否定するため、医師の診断が最優先です。(ただし接骨院に行っても整形などの紹介なども行いますので、迷うなら接骨院でも可)

    ケース③:長年の肩こり

    結論 → あなたの「目的」で選ぶ。

    • 痛みの原因を一度はっきりさせたい → 整形外科
    • 癒やし、リフレッシュしたい → 整体院
    • 体の歪みや使い方から、根本的に向き合いたい → (自費診療も行う)接骨院

    【長岡京市で「整体」をお探しの方へ】
    もし、あなたが長岡京市で整体院を探していて、かつ「価格」も重視するのであれば、こちらの記事が、あなたにとって“第4の選択肢”を提示するかもしれません。

    【長岡京市の整体探しの方へ】なぜ、国家資格者の本格施術が“破格の1,500円”で受けられるのか?

    ケース④ 交通事故のむち打ち

    結論 → 迷わず、まず「信頼できる接骨院」にご相談ください。

    なぜなら、それが“最も安全な道”だからです。
    一般的には「まず病院で診断を」と思われがちですが、交通事故治療には、特殊な事情が絡んできます。
    残念なことに、一部の整形外科では、先に診察を受けると「接骨院との併用は認めません」「当院だけで治療してください」と言われ、患者さんが本当に受けたい施術を、自由に選べなくなってしまうケースが、実際に多く発生しているのです。

    【交通事故に遭われた方へ】
    交通事故に特化した、より詳しい治療の流れ、保険や慰謝料の全知識については、当院がご用意した『交通事故治療の専門フロア』で網羅的に解説しています。必ず、こちらをご覧ください。

    『【交通事故治療の教科書】むちうち・後遺症・保険の全知識』

    私たちが推奨する、最も賢明なステップ
    • ステップ1
      まず、交通事故治療に詳しい「接骨院」に相談する。

      私たちは、あなたの体の状態を的確に評価すると同時に、その後の手続きや保険会社とのやり取りも見据えた、最適なアドバイスができます。

    • ステップ2
      接骨院から、連携している「整形外科」を紹介してもらう。

      私たちが紹介する整形外科であれば、接骨院との連携に理解があるため、「併用を認めない」といったトラブルは起こりません。

    • ステップ3
      整形外科で診断を受け、接骨院で日々の施術を行う。

      この流れこそが、あなたが診断と施術の両方を、ストレスなく、そしてスムーズに受けられる、唯一にして最高のルートなのです。

    あなたの体と目的に合った、最高のパートナーを見つけるために

    ここまで、治療院の違いと選び方について解説してきました。この知識があれば、あなたの症状に最適なパートナーがきっと見つかるはずです。

    【院選びの、原点へ戻る】

    【治療院選びの、総合案内所へ戻る】
    この記事では「接骨院・整形外科・整体院の違い」について詳しく解説しました。
    治療院選びに関する、あらゆる疑問を解決するための「総合案内所」は、以下のページです。まだご覧になっていない方は、ぜひブックマークしてお役立てください。

    『【もう迷わない】体の痛み・不調を感じたら最初に読んでください|治療院選びの完全ガイド』

  • 【肩の脱臼】もし肩が外れたら? 専門家が教える「ゼロポジション整復法」と、絶対にやってはいけないこと

    【肩の脱臼】もし肩が外れたら? 専門家が教える「ゼロポジション整復法」と、絶対にやってはいけないこと

    スポーツや転倒の瞬間。
    肩に走る激痛。そして「外れた」という直感的な恐怖。

    多くの人が「すぐに整形外科へ」と考えます。
    しかし、もしそれが休日や夜間だったら…?

    この記事は、そんな“もしも”の最悪の瞬間のために、
    私たち徒手整復プロフェッショナルである柔道整復師が、
    あなたとあなたの大切な人を守るための、「もう一つの、そして最強の選択肢」についてお話しするものです。

    【第1章】あなたの肩に、今、何が起きているのか?

    【図解】肩関節の「弱点」

    通常

    肩関節前方脱臼

    肩関節は、人体で最も広範囲に動く関節です。
    しかし、その広い可動域と引き換えに、構造的に非常に不安定という弱点を抱えています。
    上腕骨の先端(骨頭)が、肩甲骨の浅い受け皿(関節窩)に、浅くはまっているだけ。
    例えるなら、小さなお皿に乗った、大きなボールのようなものです。

    なぜ外れるのか? 最も多い「転倒」というメカニズム


    「肩関節脱臼」の、そのほとんど(95%以上)は、前方に外れる「前方脱臼」です。

    そして、その最も代表的な原因が、スポーツや、日常生活での、「転倒」です。

    とっさに、後ろに、手をついた、その瞬間。
    腕には、てこの原理で肩を前から押し出すような、強大な力がかかります。
    これが「前方脱臼」を引き起こす最も典型的なメカニズムです。

    【重要】“転倒”が引き起こす、さらなる「悲劇」

    そして、ここで、一つ、非常に、重要なことを、覚えておいてください。

    「転んで、手をつく」という、この、ありふれた動作は、脱臼だけでなく、「鎖骨骨折」や、「前腕骨の骨折」「肩鎖関節脱臼」といった、他の、深刻なケガの、引き金にも、なるのです。

    だからこそ、スポーツや、遊びの中で、「受け身」を、練習しておくこと。それが、あらゆる、転倒による、ケガから、あなたと、あなたの大切な人を、守るための、最も、シンプルで、最も、効果的な「予防策」なのです。

    【父としての、実体験】

    実は、私自身の娘も数年前、Jボードでの転倒で「前腕骨」を骨折しました。その時の私の親としての無力感と、専門家としての初期対応の全てを、ここに記録しています。
    → 『Jボードの骨折事故から学ぶ、安全対策と、親としての反省』へ

    【第2章】絶対にやってはいけないこと

    NG行動① 自分で入れようとする

    これは最も危険な行為です。
    下手に入れると、骨や神経、血管をさらに傷つけてしまう可能性があります。
    絶対にやめてください。

    NG行動② 放置する

    「そのうち治るだろう」と放置することも危険です。
    関節が緩んだままになり、「反復性脱臼」というクセになってしまうリスクが高まります。


    【“ゼロポジション整復法”の実際】― 専門家が行う、3つのステップ

    では、具体的に「ゼロポジション整復法」は、どのように行われるのでしょうか。
    力任せの乱暴な整復とは全く異なる、その安全で緻密なプロセスを、3つのステップで解説します。

    タイムラインのタイトル
    • ステップ1
      準備 ― 全身の力を抜く

      まず、患者様にはベッドにリラックスして横になっていただきます。深呼吸を促し、肩周りの筋肉の過剰な緊張を解き放つことが、全ての始まりです。我々が一方的に力を加えるのではなく、患者様の体が、自ら治る準備を整えるのを待ちます。

    • ステップ2
      探索 ― “ゼロポジション”の特定

      ここからが、我々専門家の真骨頂です。
      患者様の腕を優しく支え、ミリ単位で、様々な角度へと、ゆっくりと動かしていきます。この時、頼りになるのは、長年の経験で培われた、指先の鋭敏な感覚です。

      私たちは、肩関節が最も安定し、周囲の筋肉が最もリラックスする、ただ一点の“最適解”である「ゼロポジション」を探し出しています。

    • ステップ3
      誘導 ― あるべき場所へ優しく導く

      ゼロポジションが見つかれば、もう力はほとんど必要ありません。
      最小限の力で、外れた骨頭を、あるべき関節の受け皿へと、「カクン」と、驚くほど穏やかに誘導します。
      多くの患者様が、痛みを感じる間もなく、整復が完了したことに驚かれます。

      これこそが、科学的な知識と、繊細な職人技が融合した、体に優しい技術なのです。

    専門家メモ

    「ゼロポジション」の科学的根拠とは?

    私たちが探している「ゼロポジション」とは、単なる感覚的なものではなく、明確な科学的根拠に基づいています。

    それは、解剖学的に「肩甲骨の肩甲棘と、上腕骨の長軸が、一直線上に並ぶ肢位」と定義されており、この特定の角度において、以下の3つの力学的・解剖学的な“最適化”が同時に起こります。

    1. 筋肉の中立性
      肩を動かす主要な筋肉群(三角筋、回旋筋腱板など)の緊張が、最も均等になり、リラックスした状態になります。
    2. 関節の安定性
      関節を包む関節包や靭帯のねじれが最も少なくなり、骨頭が受け皿に最も安定して収まります。
    3. 骨の無干渉
      骨同士の衝突(インピンジメント)のリスクが、構造的に最も低くなります。

    私たちの手技は、この3つの条件が全て満たされる一点を探り出し、そこに優しく関節を導く、極めて論理的なプロセスなのです。


    【第4章】「整形外科」と「信頼できる“本物の”接骨院」。あなたの賢い“使い分け”

    なぜ、私たちは「徒手整復のプロ」なのか

    整形外科医の先生方はもちろん素晴らしい専門家です。
    しかし、私たち柔道整復師は、日々の臨床のほとんどの時間を、薬やメスではなく、「自らの手」だけを頼りに、患者様の骨や関節と向き合っています。
    その圧倒的な「触診」と「徒手」の経験値こそが、私たちの最大の誇りです。

    【専門家の視点】

    【最重要】ただし、「誰でもいい」わけでは断じてない

    しかし、ここで一つ非常に重要なことをお話ししなければなりません。

    正直に言うと全ての柔道整復師が、最新のそして最も体に優しい整復法をマスターしているわけではありません。

    私が学生時代に最初に習ったのも「コッヘル法」という、患者様に大きな負担をかけてしまう可能性のある古い整復法でした。

    そこから日々学び続け、技術をアップデートし続けている本当に信頼できる先生かどうか。それをあなた自身が見極める必要があります。

    “もしも”の時、本当にあなたを救うのは誰か

    ここで一つの厳しい「現実」についてお話しします。

    肩の脱臼や、子どもの肘内障といった緊急性の高いケガはなぜか、休日や夜間に起こることが非常に多いのです。

    もちろん救急病院に行けば、当直の先生が診てくれます。
    しかし、その先生は必ずしも骨や関節の専門医ではないかもしれません。

    不慣れな整復で、痛い思いをしたりするかもしれません。
    あるいは、「専門の先生が来る月曜日まで、このまま様子を見てください」と、言われてしまったり。

    だからこそ「かかりつけ接骨院」というお守りを

    そんな、不安な夜を、あなたは、耐えられますか?

    だからこそ、私たちはこう提案します。

    “もしも”が起きてから、慌てて探すのでは遅いのです。

    平日の元気な時にこそ、あなたの街のいくつかの接骨院を訪れてみてください。
    先生と実際に言葉を交わし、「この先生なら任せられる」と心から思える、あなただけの「かかりつけ接骨院」を見つけておくこと。

    本当に信頼できる先生は、きっとあなたのその“もしも”の夜に「なんとかしましょう」と、手を差し伸べてくれるはずです。

    それが、あなたとあなたの大切な家族の不安な夜を救う最高の「お守り」になるはずです。

    【補足】子どもの代表的な脱臼「肘内障」について

    ちなみに、脱臼の中でも特に小さなお子様に頻繁に起きるのが「肘内障(ちゅうないしょう)」です。
    これもまた、私たち柔道整復師が最も得意とする分野の一つです。

    → 【より詳しく】『【子どもの肘内障・予防が全て】腕を引っ張る前に…』へ


    【結論】正しい知識が、あなたの「未来」を守る

    突然のつらい肩の脱臼。
    しかし、正しい知識を持ち信頼できる専門家を知っておけば何も怖がることはありません。
    この記事があなたの「もしも」の時のお守りとなれば幸いです。


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  • 【肩こりの治し方】“持病”だと諦める前に。専門家が教える、9つの根本改善策

    【肩こりの治し方】“持病”だと諦める前に。専門家が教える、9つの根本改善策

    肩こりで困っている男性と女性のイラスト

    「もう、この、しつこい肩こりとは、一生の付き合いだ…」

    デスクワークの合間に、思わず、うめき声が漏れる。
    朝、起きた時に、首が、回らない。
    マッサージに行っても、その場しのぎで、すぐに、元通り。

    もし、あなたが、そんな「国民病」とも言える、頑固な肩こりに、諦めを感じているなら。
    この記事は、そんなあなたのための「最後の教科書」です。

    この記事では、単なる、その場しのぎのストレッチではありません。
    あなたの生活そのものを見直し、痛みと、完全に“サヨナラ”するための、9つの、本質的な「秘訣」を、専門家が、徹底的に、解説します。

    【第1章】あなたの“本当の犯人”は誰だ?(3大原因)

    原因① 逃れられない「姿勢不良」

    猫背、ストレートネック、反り腰…。これらの「悪い姿勢」は、重い頭(体重の約10%)を支えるために、あなたの首や肩の筋肉に、24時間、休みなく、過剰な負担をかけ続けます。
    → 『【猫背の治し方】あなたの不調、全ての“黒幕”は「猫背」だった?』へ

    原因② 圧倒的な「運動不足」と「冷え」

    使われなくなった筋肉は、硬直し、血行が悪くなります。血行不良は、痛みを生み出す「老廃物」を溜め込み、あなたの肩を、常に、重く、だるい状態にしてしまうのです。

    原因③ 「ストレス」という、見えない敵

    精神的なストレスは、自律神経を乱し、無意識のうちに、体を「緊張モード」へと、切り替えます。歯を食いしばり、肩をすくめ、呼吸が浅くなる。その、見えない緊張が、あなたの肩こりを、さらに、根深いものにしているのです。


    肩こりの主な原因の図解

    【第2章】肩こりが、引き起こす「さらなる悲劇」

    肩こりは、単なる「不快感」では、すまない場合があります。そのまま放置すると、

    • 頭痛、吐き気、めまい
    • 手のしびれ(胸郭出口症候群など)
    • 自律神経失調症や、うつのリスクといった、より深刻な、全身の不調へと、繋がっていく、危険な「サイン」なのです。

    (※稀に、肺がんや心臓の病気が、肩こりのような症状を引き起こすこともあります。「いつものこりと、何か違う」と感じたら、迷わず、内科などを受診してください)

    【第3章】根本改善への「9つの秘訣」

    肩のこりを防ぐためのステップの図解

    《生活習慣を、変える》

    1. 正しい姿勢を、知る: 「骨で座る」意識と、デスク環境の見直し。
      正しい座り方の重要性とコツ:腰痛を防ぐ「骨で座る」という新常識
    2. 体を、温める: 入浴や、蒸しタオルで、血行を、促進する。
    3. ストレスと、上手に付き合う: 深呼吸や、質の良い睡眠を、心がける。

    《体を、動かす》

    4. 肩甲骨を、“解放”する: 肩こりの、全ての鍵を握る、「肩甲骨」の、正しい動かし方を、学ぶ。
     → 【全ての基本】『あなたの腕は、どこから始まっていますか?(肩甲骨の教科書)』へ
    5. “筋膜”を、リリースする: 癒着した、筋肉の膜を、解放し、滑らかな動きを、取り戻す。
     → 【より詳しく】『筋膜リリースの科学と、正しいやり方』へ
    6. インナーマッスルを、“目覚めさせる”: 体を支える、深層部の筋肉を、再教育する。

    《専門家の力を、借りる》

    7. 「本当の原因」を、見極めてもらう(鑑別診断): あなたの痛みが、本当に「肩こり」なのか、あるいは、「五十肩」や「腱板損傷」といった、別の病気が隠れていないか、を、正確に、診断してもらう。
     → 五十肩 腱板損傷 インピンジメント の、各専門書へ
    8. 専門家の「手」で、癒着を、解放してもらう: 自分では、届かない、深層部の癒着を、プロの手技で、解放してもらう。
    9. 鍼灸など、多角的なアプローチを、試す: 筋肉だけでなく、神経や、自律神経にも、アプローチする。

    肩甲骨の運動で肩こりを改善していくための図解

    肩甲骨の重要性: 肩甲骨は、上半身の動きの要となる骨です。この肩甲骨の動きが制限されると、周囲の筋肉に過度な負担がかかり、肩こりの原因となります。

    血行促進と筋肉の解放: 肩甲骨を動かすことで、肩こりの原因となる複数の筋肉を同時に動かすことができます。これにより血行が促進され、凝り固まった筋肉がほぐれていきます。

    姿勢改善効果: 正しい肩甲骨の動きを意識することで、自然と姿勢が改善されます。良い姿勢は肩こり予防の基本となります。

    【結論】あなたの肩は、まだ、諦めるには早い

    肩こりは、現代人の、宿命では、ありません。正しい知識と、正しい行動で、必ず、解放される日が、来ます。

    この記事が、その、長いトンネルの、出口を照らす、一筋の光となれば、幸いです。

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  • 【図解】腕を上げると肩が痛い「インピンジメント症候群」の正体。その“衝突”、自宅でできる改善法

    【図解】腕を上げると肩が痛い「インピンジメント症候群」の正体。その“衝突”、自宅でできる改善法

    インピンジメント症候群の全体像

    インピンジメント症候群とは何か 定義と「衝突」の概念

    インピンジメント症候群は、腕を上げたりひねったりする際に肩に痛みや引っ掛かりを感じる症状の総称であり、肩関節の周囲で筋肉や骨がぶつかることで生じる病態です 。この「インピンジメント(impingement)」という言葉自体が「衝突」を意味しており、病態の本質を端的に表しています 。具体的には、肩の関節にある骨と骨の間が狭くなり、腕を動かす際に肩の腱や筋肉が擦れたり、挟まれたりすることで炎症や痛みが引き起こされます 。  

    本疾患は、特に野球の投球動作に関連する「投球障害肩」の一種として広く知られていますが、その発症はアスリートに限定されるものではありません 。バレーボールやテニスといったオーバーヘッドスポーツを行う選手だけでなく、日常生活や仕事で頻繁に腕を高く上げる動作を行う方々、例えば家事や特定の職業に従事する人々にも多く見られます 。また、中高年層においても発症しやすい一般的な肩の疾患として認識されています 。

    肩のインピンジメント(衝突)症候群で腱板や滑液包が挟まる様子の図解

    【第1章】あなたの肩で、何が「衝突」しているのか?

    インピンジメントの正体と、五十肩との“決定的な違い”

    女性
    女性

    先生、最近、腕を上げようとすると、肩に、ズキッとした痛みが走るんです。これって、もしかして、四十肩や五十肩ってやつですか…?

    院長
    院長

    なるほど。四十肩や五十肩と、よく間違えられるのですが、もしかしたら、それは「インピンジメント症候群」かもしれませんね。「インピンジメント」とは、英語で「衝突」という意味です。

    肩の骨(肩峰)と、その下にある腱(腱板)が、腕を上げる時に、物理的に、ぶつかってしまっている。そのせいで、炎症が起きて、痛みが出ている状態なんです。

    女性
    女性

    衝突…! 五十肩とは、何が違うんですか?

    院長
    院長

    一番の、決定的な違いは、「痛いけど、動くかどうか」です。
    五十肩は、関節全体が固まってしまい、腕が、そもそも上がらなくなります。

    一方で、インピンジメント症候群は、腕を上げる“途中”の、ある特定の角度(60〜120度の間)だけで、強い痛みが出て、そこを越えると、また、スッと上がる。
    この、「痛みのアーチ(有痛弧)」が、最大の特徴です。

    腕を60度から120度まで上げる際に痛みが出る、インピンジ-メント症候群の典型的な症状「ペインフルアークサイン」の図解
    項目インピンジメント症候群五十肩(肩関節周囲炎)
    定義/病態肩関節内の筋肉や腱、骨が衝突し、炎症や痛みを引き起こす病態  肩関節周囲の組織(関節包など)の炎症と拘縮による病態  
    主な症状腕を上げる際の痛み、引っかかり感、夜間痛  肩全体の痛み、可動域の著しい制限、夜間痛  
    痛みの特徴特定の角度(60~120度)で痛みが生じ、それ以上上げると痛みが消える「有痛弧」が典型的  どの方向へ動かしても痛む、安静時や夜間も痛みが強い  
    可動域痛みはあるが、他動的には動かせる場合が多い  痛みに加え、可動域が著しく制限され、腕が上がらない  
    主な原因オーバーユース、加齢による骨棘形成、姿勢不良、腱板損傷、石灰沈着など複数の要因  原因不明なことが多いが、加齢による組織変性が関与  
    好発年齢40歳以降に多いが、スポーツ選手など若年層にも見られる  40~60歳代に多い  
    インピンジメント症候群と五十肩の比較

    【自己診断】もしかして…? 3つの危険なサイン

    • 腕を上げると、特定の角度で、ズキッとした痛みが走る
    • 夜、痛い方の肩を下にして眠れない
    • 腕を動かすと、ゴリッとした引っかかりを感じる
    院長
    院長

    もし、一つでも当てはまるなら、注意が必要です。ちなみに、この「衝突」は、肩だけでなく、股関節で起きることもあるんですよ。

    【第2章】なぜ、“衝突”は起きるのか? あなたの痛みの「4大容疑者」

    女性
    女性

    なるほど…。私の肩の中で、骨と腱が、ぶつかっているんですね。でも、なぜ、急に、そんなことが起きるようになってしまったんでしょうか?

    院長
    院長

    良い質問ですね。その「衝突」の背景には、多くの場合、これからお話しする「4人の容疑者」が、単独で、あるいは、共謀して、潜んでいます。あなたの「主犯」が、誰なのか。一緒に、探していきましょう。

    容疑者① 「使いすぎ(オーバーユース)」

    野球のピッチングや、テニスのサーブ。あるいは、仕事での、高い場所への荷物の上げ下ろし。肩を、特定の方向に、繰り返し、使いすぎること。これが、最も分かりやすい、直接的な犯人です。腱板に、無数の小さな傷がつき、炎症が起きて、腫れ上がり、骨とぶつかりやすくなってしまいます。

    容疑者② 「加齢による“サビつき”」

    年齢と共に、私たちの体には、どうしても「サビ」がきます。

    • 腱板そのものが、水分を失い、硬く、もろくなる
    • 骨のフチに、「骨棘(こつきょく)」という、トゲのようなものが、できてしまう。
    • 腱の中に、「石灰」が溜まり、腫れ上がってしまう。こうした、加齢による「サビつき」が、肩の中のスペースを、物理的に、狭くしてしまうのです。

    【最重要】容疑者③ 「悪い姿勢」という、静かな共犯者

    そして、これが、現代人における、最も多く、そして、最も見過ごされている、真犯人かもしれません。

    猫背や、巻き肩。

    この姿勢になると、肩甲骨が、前に、そして外に、滑り出してしまいます。すると、腕を上げる時に、肩の骨(肩峰)の“屋根”が、下にある腱板を、上から、“蓋をするように”、圧迫してしまう。

    普段の何気ない姿勢が、あなたの肩の中を、常に「衝突しやすい状態」へと、変えてしまっているのです。
    あなたの不調、全ての“黒幕”は「猫背」だった?― 4つのタイプ別・本当の治し方

    容疑者④ 「サボり筋」と、神経の“命令違反”

    これは、少し専門的な話になりますが、非常に重要です。肩の関節は、インナーマッスル(回旋筋腱板)という、深層部の筋肉が、絶妙なバランスで支えることで、安定しています。

    しかし、何らかの原因で、このインナーマッスルが「サボり」始めたり、あるいは、筋肉を動かす「神経」からの命令が、うまく届かなくなったりすると。肩の動きは、一気に不安定になり、衝突が、起きやすくなってしまうのです。

    インピンジメント症候群の主な原因と関連要因

    カテゴリー具体的な要因インピンジメントへのメカニズム
    オーバーユース/繰り返しの動作野球、テニス、バレーボールなどのスポーツ活動、高い位置での作業、重い物の持ち運び腱や筋肉への繰り返しストレス、摩擦、炎症、出血  
    加齢による変化腱板の劣化、筋肉・腱の柔軟性低下、骨棘(骨のトゲ)形成、烏口肩峰靭帯の線維化/骨化肩峰下空間の狭小化、腱への圧迫増加、炎症  
    姿勢の乱れ猫背、巻き肩、長時間のデスクワーク/スマホ使用肩甲骨の動き制限、肩関節可動域の減少、特定部位への負荷集中  
    解剖学的構造の問題肩峰の形状異常(出っ張り)、腱への石灰沈着(石灰沈着性腱板炎)、上腕二頭筋長頭腱炎骨と腱の衝突、腱の腫脹と炎症によるスペース圧迫  
    筋力低下/神経の関与肩のインナーマッスルの衰え/断裂(腱板損傷)、前鋸筋機能不全(肩甲骨上方回旋不全)、腋窩神経圧迫肩関節の不安定化、肩峰下スペースの狭小化、筋肉の機能不全  

    【第3章】インピンジメント症候群への、一般的なアプローチ

    インピンジメント症候群の治療は、多くの場合、手術をしない「保存療法」から始まります。

    ステップ① 安静と、炎症のコントロール

    まず、痛みの原因となる、腕を上げる動作などを控え、肩を休ませることが、基本となります。
    整形外科では、痛み止めの薬や、炎症を抑えるためのステロイド注射などが、選択されることがあります。

    ステップ② リハビリテーションによる、機能回復

    炎症が落ち着いてきたら、理学療法士などの指導のもと、リハビリテーションへと移行します。

    • 硬くなった筋肉を伸ばすストレッチ
    • 肩周りを安定させるための筋力トレーニング
      これらを通して、肩の正しい動きを、取り戻していきます。

    ステップ③ 手術という、最終的な選択肢

    これらの保存療法を3〜6ヶ月続けても、改善が見られない場合や、腱板断裂などを伴う重症例では、内視鏡を使った手術が、検討されることもあります。

    【第4章】手技の専門家が考える、「根本改善」へのアプローチ

    【専門家の視点】なぜ、あなたの肩は“衝突”せざるを得なかったのか?

    私たち、手技を専門とする国家資格者(柔道整復師など)は、インピンジメントの「痛み」そのものではなく、その「痛みが起きる、メカニズム」に、深く、注目します。

    そもそも、私たちの肩関節は、腕を上げる時、非常に精巧な動きをしています。腕の骨(上腕骨頭)は、ただ上に転がるだけでなく、同時に「下へと、滑り込む」ことで、肩の屋根(肩峰)との衝突を、巧みに、避けているのです。

    インピンジメント症候群とは、この「下へと滑り込む、という、本来あるべき動き」が、何らかの原因で、失われてしまった状態なのです。

    では、なぜ、「滑り込み」が、できなくなるのか?

    その原因は、多岐にわたります。

    • 肩を安定させるインナーマッスル(腱板)の機能低下
    • 肩の後ろ側の組織(後方関節包)の硬さ
    • そして、それらを引き起こす、猫背などの、根本的な「姿勢の歪み」

    注射や薬で、一時的に炎症(火事)を鎮めても、この「衝突しやすい、体の状態(火事の原因)」そのものを、解決しない限り、痛みは、何度でも、ぶり返してしまうのです。

    手技専門家による、「根本改善」への3ステップ

    だからこそ、私たちは、薬や手術に頼る前に、まず、私たちは、以下の3つのアプローチで、あなたの肩が、再び「滑らかに、滑り込める」ように、体を、根本から、再教育していきます。

    1. 専門家の「手」による、的確な“解放”  硬くなった関節包や、癒着した筋膜を、的確な手技で、解放します。
    2. 弱った筋肉の「再教育」  腱板などのインナーマッスルを、安全な方法で、目覚めさせます。
    3. 間違った体の使い方の“修正”  衝突が起きない、本当に効率的な体の動かし方を、習得していただきます。

    これが、私たちが目指す、単なる「痛みの消失」の、その先にある、「本当の完治」への、道すじです。

    【補足】インピンジメントと、よく似た「3つの疾患」

    「腕を上げると痛い」という症状は、インピンジメント症候群だけでなく、他の疾患でも、見られることがあります。自己判断は、時に危険を伴います。ここでは、特に間違いやすい、3つの代表的な疾患との違いを、簡潔に解説します。

    ① 五十肩(肩関節周囲炎)

    これは、肩関節を包む「関節包」という袋が、炎症を起こし、カチカチに硬くなってしまう病気です。特定の角度だけでなく、あらゆる方向に、腕が上がらなくなり、可動域が、著しく制限されるのが、最大の特徴です。
    → 五十肩について

    ② 腱板断裂

    インピンジメントが、腱板の「衝突」であるのに対し、腱板断裂は、その腱板そのものが、完全に、あるいは部分的に、切れてしまった状態です。腕が、全く上がらなくなってしまったり、夜間の痛みが、非常に強くなったりするのが特徴です。
    → 腱板損傷

    ③ 石灰沈着性腱板炎

    肩の腱板の中に、突然、歯磨き粉のような「石灰」が溜まり、激しい炎症を引き起こす病気です。夜も眠れないほどの、突然の、耐え難い激痛で、発症することが多いのが、特徴です。


    これらの疾患との、正確な鑑別には、専門家による、丁寧な検査が不可欠です。


    【結論】痛みの「サイン」を、見逃さないで

    ここまでお読みいただき、ありがとうございました。インピンジ-メント症候群は、決して、特別な病気ではありません。それは、あなたの体が、「今の、体の使い方は、間違っていますよ」「少し、休ませてください」と、あなたに送ってくれている、大切な「サイン」なのです。

    その、小さなサインを、どうか、見逃さないでください。早めに、その声に耳を傾け、適切な対処を始めること。それが、あなたの肩を、未来の、より大きな痛みから守るための、最も確実で、最も賢明な、一歩です。

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  • 【腱板損傷とは?】夜も眠れない肩の痛み。その正体と、後悔しないための正しい治し方

    【腱板損傷とは?】夜も眠れない肩の痛み。その正体と、後悔しないための正しい治し方

    腕を上げようとすると、肩に、激痛が走る。
    夜、痛みで、目が覚めてしまう。
    そして、腕に、力が入らない…。

    もし、あなたが、そんな、つらい肩の痛みに、悩まされているのなら。
    それは、単なる肩こりや、五十肩ではなく、肩を支える重要なインナーマッスル「腱板(けんばん)」が、傷ついている、危険なサインかもしれません。

    この記事では、まず、ご自身の状態を把握するための「7つの自己診断チェックリスト」から始め、
    腱板損傷の「本当の原因」、そして、後悔しないための「正しい治し方」まで、専門家が、その全てを、徹底的に、解説します。

    腱板断裂のイラスト

    【第1章】7つの自己診断チェックリスト

    以下の症状に当てはまる項目が多いほど、腱板損傷の可能性が高くなります。

      ☑ 肩に鈍い痛みが続いている
      ☑ 腕を横から上げようすると、特に痛みが強くなる
      ☑ 夜、痛みで目が覚める事がある
      ☑ 腕に力が入りにくい、または弱くなった感じがする
      ☑ 腕を後ろに回すと痛む
      ☑ 肩を動かすとゴリゴリ、カクカクした感じがする
      ☑ 痛い方の肩を、下にして、眠ることができない

    ただし、これは、あくまで目安です。正確な診断には、必ず、専門機関の受診が必要です。

    【第2章】あなたの腱板に、何が起きているのか?

    腱板とは? 肩甲骨から腕を包む、4つのインナーマッスル

    腱板とは、肩甲骨から始まり、腕の骨(上腕骨)の先端を、四方から、包み込むように、付着している、4つのインナーマッスル(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の、腱の集合体です。この4つの筋肉が、連携して働くことで、肩関節は、安定し、そして、滑らかに、動くことができるのです。

    腱板損傷とは、この、重要な腱板の一部、あるいは、全てが、傷ついたり、切れてしまったり(断裂)した状態を指します。

    腱板についてはこちらで詳しく解説しています。

    なぜ、傷ついてしまうのか? 4つの「主犯」

    1. 加齢による、変性: 40歳を過ぎると、腱そのものが、もろくなり、切れやすくなります。
    2. 外傷: 転んで手をつくなど、一度の、強い衝撃。
    3. 使いすぎ(オーバーユース): 野球の投球や、仕事での、腕を繰り返し上げる動作。
    4. 悪い姿勢(猫背・巻き肩): 悪い姿勢が、肩の骨と腱板の「衝突(インピンジメント)」を、常に、引き起こしている。
      この、全ての鍵を握る「悪い姿勢」について、その根本原因と、具体的な改善法を、知りたい方は、こちらの「専門書」が、必ず、役に立ちます。
       → 『【猫背の治し方】あなたの不調、全ての“黒幕”は「猫背」だった?』へ
    腱板損傷の原因の図解

    【第3章】「五十肩」との、決定的な違い

    夜、痛くて眠れないなんて…これって、よく聞く“五十肩”とは、違うんですか?

    院長
    院長

    はい、非常に、よく似ていますが、決定的に、違う点があります。五十肩は、肩関節全体が、カチカチに固まり、あらゆる方向に、腕が上がらなくなるのが、特徴です。

    一方で、腱板損傷は、腱が切れていても、他の筋肉が代償して、痛いながらも、腕は、ある程度、上がることが多いのです。この、「上がるけど、激痛が走る」というのが、腱板損傷を、強く疑う、サインです。

    → 「その痛み、本当に五十肩?」より詳しい解説は、こちらの記事へ

    類似疾患

    腱板損傷と似た症状を示す疾患には以下のようなものがあります

    1. 肩関節周囲炎(五十肩)
      • 特徴:肩全体の痛みと可動域制限
      • 違い:年齢層が高く(50代以上)、自然治癒傾向がある
    2. 上腕二頭筋長頭腱炎
      • 特徴:肩の前面の痛み
      • 違い:腕を回内外する際に痛みが強い
    3. 石灰性腱炎
      • 特徴:急性の激しい痛み
      • 違い:レントゲンで石灰沈着が確認できる
    4. 肩峰下滑液包炎
      • 特徴:肩の外側部の痛み
      • 違い:腕を下げた状態でも痛みがある場合がある
    腱板損傷と類似疾患の図解

    第4章】後悔しないための、正しい「治し方」

    ステップ① まずは「保存療法」。そして、リハビリが、全ての鍵

    よほど重症でない限り、治療は、手術をしない「保存療法」から始まります。安静や、整形外科での注射で、まず炎症を抑え、その後、最も重要となるのが、専門家の指導のもとで行う、正しい「リハビリテーション」です。硬くなった関節の動きを取り戻し、弱ったインナーマッスルを、安全に、再教育していきます。

    【専門家の視点】再生医療という、新しい選択肢

    近年、部分的な断裂に対しては、ご自身の血液から、成長因子を抽出し、注射することで、腱の治癒力を高める「再生医療(PRP療法など)」という、新しい選択肢も、登場してきています。

    ステップ② 手術という、最終的な決断

    保存療法を、3ヶ月以上続けても、改善が見られない場合や、完全に断裂してしまっている場合には、関節鏡を使った、内視鏡手術が、検討されます。術後も、数ヶ月にわたる、根気強いリハビリが、不可欠です。

    【結論】その「夜の痛み」は、体からの、SOS

    腱板損傷は、「そのうち治る」と、軽視してはいけない、専門的な治療を要するケガです。特に、「夜、痛みで目が覚める」という症状は、あなたの腱板が、深刻な悲鳴を上げている、重要なSOSサインです。

    そのサインを、どうか、見逃さないでください。
    早めに、専門家(整形外科や、接骨院)に相談し、適切な診断と、治療を開始すること。それが、あなたの肩を、未来の、より大きな後悔から守るための、唯一の道です。

  • Jボードの落とし穴!わが子の骨折事故から学ぶ、危険性と安全対策

    Jボードの落とし穴!わが子の骨折事故から学ぶ、危険性と安全対策

    jボード
    院長
    院長

    Jボードは子どもたちの間で大人気ですが、まさか我が子が骨折事故に遭うとは夢にも思いませんでした。7歳の娘がJボードで転倒し、前腕を骨折したあの日。接骨院の院長である私自身が、その瞬間に直面し、応急処置から病院での対応までを経験しました。

    この実体験を通じて、Jボードの隠れた危険性と、もしもの時に知っておくべき安全対策、そして柔道整復師としての初期対応の重要性を痛感しています。

    この記事では、具体的な事故の経緯から、正しい応急処置のポイント、そして大怪我の際に接骨院がどのように役立つのかを詳しくお伝えします。お子様の安全を守り、万が一の事態に備えるために、ぜひ最後までお読みください。

    Jボード事故の一部始終 発生から手術まで

    病院探しと、その間の応急処置

    事故は夕方18時40分に発生しました。休日夜間だったため、119番に連絡し、対応可能な病院リストを教えてもらいましたが、近隣の大型病院では対応できず、病院探しは難航しました。

    この間、私は柔道整復師として、自宅にあった木材(ワンバイ材)を使い、すぐに娘の前腕を固定する応急処置を施しました。この処置のおかげで、娘は痛みが和らぎ、泣き止んで落ち着きを取り戻すことができました。

    診断と手術

    最終的に病院が決まったのは19時25分。診察が始まったのは22時45分でした。レントゲン検査の結果、尺骨の若木骨折と橈骨の完全骨折が判明し、手術を受けることになりました。手術は深夜に無事終了し、翌日には帰宅することができました。長時間の待ち時間がありましたが、柔軟にご対応くださった病院の先生方には、心から感謝しています。


    この経験から学ぶ、2つの重要な教訓

    教訓① 「もしも」の時に命運を分ける、応急処置の重要性

    今回の経験を通じて、初期の応急処置がいかに重要かを、身をもって実感しました。適切な固定がなければ、娘は、病院を探す長い時間、激しい痛みと不安に苛まれ続けたことでしょう。
    骨折が疑われる際に、患部を固定し、安静を保つことは、

    • 痛みを和らげ、
    • 症状の悪化を防ぎ、
    • 本人の精神的な安定に繋がる、
      まさに不可欠な行動です。

    教訓② 休日・夜間にこそ、接骨院という選択肢を

    また、今回のように、休日や夜間に、すぐに病院が見つからないケースは、決して珍しくありません。
    そんな時こそ、私たち街の接骨院を「最初の相談窓口」として、ぜひ頼ってください。私たちは、ケガの専門家として的確な応急処置を施し、地域の医療機関と連携して、あなたとお子様を最善の道へと導く「つなぎ役」となることができます。


    【第3章】親として、そして社会の一員として、今、伝えたいこと

    事故の根本原因は、私の「慢心」と、社会の「無関心」でした

    今回の事故は、乗りこなせるようになった娘への、そして、それを見守る私自身の、「もう大丈夫だろう」という、親としての「慢心」が招いたものだと、深く反省しています。

    しかし、問題は、それだけではありません。
    Jボードの本当の危険性は、「親世代が、そのリスクを体験したことがない」という、世代間のギャップにあります。
    私たちは、自転車の乗り方は教えられても、Jボードの「安全な乗り方」や「正しい転び方」を、子どもに教えることができません。結果として、子どもたちだけで、見様見真似で覚えていき、安全意識が希薄なまま、路上へと出て行ってしまう。

    事実、自治体によっては、その危険性の高さから、公園などでのJボードの使用を、条例で禁止している地域さえあるのです。
    この現実は、Jボードが、もはや単なる「おもちゃ」ではなく、社会全体で、そのリスクと向き合うべき「乗り物」であることを、示唆しています。

    後悔しないための、3つの約束

    この私の後悔と、社会が抱える課題が、あなたのお子様を事故から守る、一助となることを願っています。

    1. 防具の徹底  ヘルメット、リストガード、肘・膝当ては、必ず着用させてください。
    2. 「正しい転び方」を教える  衝撃を逃がす受け身の練習も、大切です。
    3. 「安全な場所」と「ルール」を、徹底する  公道では絶対に乗らない。安全な場所で、保護者の目の届く範囲で遊ばせる。この当たり前を、親子で、そして地域社会全体で、徹底してください。

    【結論】この記録が、誰かのお守りになることを願って

    今回の私の経験が、一つでも多くのJボード事故を防ぎ、そして、万が一の時に、親御さんが冷静な判断を下すための一助となることを、心から願っています。

    今回は骨折を例にお話ししましたが、子どもの成長期には、様々なケガがつきものです。そんな“もしも”の時に、親として知っておくべき全てのことを、以下の「総合案内ページ」にまとめました。ぜひ、併せてご覧ください。

    → 【子どものケガ】「あの時、こうすれば…」と後悔しないために。親が知るべき、最初の正しい一歩

    そして、もし今、この長岡京市で、お子様の急なケガでお困りなら、もう迷う必要はありません。すぐに、私たちにご連絡ください。

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  • 【肩甲骨の教科書】その肩こり、本当の原因は“動かない肩甲骨”にあり。― その機能を取り戻し、痛みを解放する。

    【肩甲骨の教科書】その肩こり、本当の原因は“動かない肩甲骨”にあり。― その機能を取り戻し、痛みを解放する。

    「肩甲骨の内側が、ずっと痛い…」
    「腕を回すと、ゴリゴリと、嫌な音がする…」
    「五十肩だと言われたけど、本当の原因は、何なんだろう…」

    長年、あなたを悩ませる、そんな、肩甲骨周りの、あらゆる「不調」
    (肩こり、痛み、ゴリゴリ音、インピンジメント、五十肩、腱板損傷…)

    その本当の原因が、あなたが、これまで、一度も、疑ったことのなかった、「腕の始まり」という、身体の“常識”の、勘違いにあるとしたら…?

    この記事は、あなたの身体の「常識」を、根底から覆し、
    全ての「首・肩の不調」の鍵を握る、「肩甲骨」の、真実について、語ります。

    【第1章】全ての基本 あなたの肩甲骨、本当はどう動くべきか?

    肩甲骨の、驚くべき「6つの動き」

    あなたの肩甲骨は、ただ上下左右に動くだけではありません。
    「挙上・下制」(肩をすくめる・下ろす)
    「内転・外転」(背骨に寄せる・離す)
    「上方回旋・下方回旋」(腕を上げる時に回り、下ろす時に戻る)
    という、3次元の、実に6つもの複雑な動きを、日々、行っています。
    この、滑らかな「6つの動き」ができて、初めて、あなたの腕は、本来の自由を取り戻します。

    【もっと詳しく】肩甲骨の、より専門的な「解剖学」を知りたいあなたへ

    この、驚くほど精緻な「肩甲骨」という骨。
    その、骨の名称、筋肉の付き方、そして、専門家だけが知る“面白い秘密”については、別の「専門書」として、一冊の、特別なページに、まとめてあります。

    学生の方、トレーナーの方、そして、ご自身の体を、もっと深く知りたい、知的好奇心の強いあなたは、ぜひ、こちらの「解剖学の専門書」も、併せてお読みください。

    → 【一目でわかる】肩甲骨の解基本的な構造と、専門家だけが知る“3つの面白い秘密”

    肩甲骨を前から見た図

    肩甲骨の痛みの原因がわかる解剖図(前方)。猫背で硬くなる烏口突起周りの筋肉や、インピンジメントが起きる肩峰の位置を解説。
    肩甲骨を前から見た図

    肩甲骨を後ろから見た図

    肩甲骨のゴリゴリ音の原因がわかる解剖図(後方)。肩甲骨の内側の痛みに関わる菱形筋や、五十肩の原因となる回旋筋腱板の構造を解説。
    肩甲骨を後ろから見た図

    【第2章】なぜ、あなたの肩甲骨は「張り付いて」しまうのか?

    癒着を引き起こす、2つの「現代病」

    では、なぜ、この「6つの動き」が失われ、肩甲骨は「癒着」してしまうのでしょうか。
    その原因は、私たちの、あまりにも便利な現代社会そのものに隠されています。

    1. 圧倒的な「運動不足」肩は、本来360度、自由に回る関節です。しかし、現代社会で、私たちが手を肩より上に持ち上げる瞬間は、一日に何回あるでしょうか。おそらく、「洗濯物を干す時くらい」ではないでしょうか。
      使われなくなった関節は、錆びつきます。動かさなくなった筋肉と筋膜は、癒着します。
    2. 逃れられない「姿勢不良」スマートフォンを覗き込む、前かがみの姿勢。パソコンと向き合う、猫背の姿勢。この「頭が、前に出る」姿勢は、重い頭を支えるために、首や肩、そして肩甲骨周りの筋肉に、24時間、休みなく、過剰な負担をかけ続けます。
      この、全ての不調の“黒幕”である「猫背」について、その4つのタイプと、根本的な治し方を、知りたい方は、こちらの「専門書」をご覧ください。
       → 『【猫背の治し方】あなたの不調、全ての“黒幕”は「猫背」だった?』

    その結果、起きること 「筋膜の癒着」と、痛み・ゴリゴリ音

    この「運動不足」と「姿勢不良」の積み重ねが、肩甲骨とその下にある肋骨との間の“滑り”を悪くさせ、「筋膜の癒着」を引き起こします。これが、腕を回した時の「ゴリゴリ音」や、あのしつこい「痛み」の、本当の正体です。
    特に、大きく息を吸うと背中が痛む場合、それは、呼吸を助ける「上後鋸筋」という筋肉が、この癒着によって悲鳴を上げているサインかもしれません。

    【第3章】その“ゴリゴリ音”、放置するとどうなる?【運命の分岐路】

    ここまでお読みいただき、ありがとうございます。これで、あなたは、ご自身の肩甲骨の不調が、単なる「こり」ではなく、「筋膜の癒着」という、明確な原因から来ていることを、ご理解いただけたはずです。

    多くの、そして、軽度な「ゴリゴリ音」は、ここでお話ししたセルフケアで、改善が期待できます。

    しかし。もし、あなたが、そのサインを、「大丈夫だろう」と、放置し続けたなら。あなたの肩は、やがて、2つの、過酷な未来へと、進んでしまう可能性があります。

    未来① 「凍りつく、未来」

    癒着が、肩関節を包む「関節包」にまで広がり、カチカチに固まって、あらゆる方向に、腕が上がらなくなってしまう。それが、「五十肩(凍結肩)」です。

    → その、凍てつく痛みの正体とは?『【五十肩の教科書】“年のせい”ではない、本当の原因』へ

    未来② 「衝突し、断裂する、未来」

    癒着が、肩の、滑らかな動きのリズムを狂わせ、骨と腱が、常に、内部で「衝突」し続けるようになります。それが、「インピンジメント症候群」です。

    → その“衝突”の、より詳しいメカニズムとは?『【図解】インピンジメント症候群の正体』へ

    そして、その「衝突」が、何年も、何年も続いた、その先に。あなたの肩を支える、最も重要な命綱である「腱板」が、すり減り、やがて、ブチリと、切れてしまう…

    → その、夜も眠れない激痛の正体とは?『【腱板損傷の教科書】自己診断チェック』へ

    実践編 これが、安全で効果的な「3つの体操」

    ① 肩甲骨回し(基本の動き)
    右または下の図を参照ください。

    ② 四つん這いキャット&カウ(癒着をはがす動き)
    息を吐きながら背中を丸める(キャット)おへそを見て、猫のように背中を高く丸めます。
    息を吸いながら背中を反らせる(カウ) 胸を開いて、お尻を突き出すように背中を反らせます。
    ゆっくり繰り返す 呼吸に合わせて、この動きを繰り返しましょう。

    ポイントは、背骨の動きを感じながら、無理なく行うことです。

    ③【応用編】ストレッチポールを使った、究極の「ウォールエンジェル」ただ壁で行うよりも、「ストレッチポール」を使うことで、このエクササイズの効果は、何倍にも跳ね上がります。ポールの上に仰向けに寝て、両肘を90度に曲げ、腕全体を床に近づけるようにリラックスさせます。その状態のまま、息を吐きながら、ゆっくりと、腕を上下に動かしてください。重力によって自然と胸が開き、より深く、より効果的に、肩甲骨を「正しい位置」で動かすことができます。

    肩甲骨の体操の図

    【専門家の道具箱① マッサージガン】もし、あなたが「マッサージガン」をお持ちなら、ぜひ、鎖骨の下にある「小胸筋」という筋肉に、優しく当ててみてください。この筋肉がゆるむだけで、驚くほど肩が開きやすくなります。

    → 『筋膜リリースとは?』の記事で、さらに詳しく

    【第4章】パフォーマンスを解放する。「本当の腕の動かし方」とは

    そして、この「筋膜の癒着」は、単なる痛みだけでなく、あなたの身体能力(パフォーマンス)そのものを、大きく低下させています。

    なぜなら、多くの人が勘違いしている、「腕は、肩の関節から始まっている」という常識こそが、間違いだからです。

    私自身、長年水泳をしていますが、上級者になればなるほど、この感覚が重要になります。
    「腕は、背中にある、この“肩甲骨”から始まっている」と。
    肩甲骨から腕を動かすことで、初めて、腕の力が、体幹という、人間の最も強力なエンジンと直結するのです。

    肩甲骨は、単に腕をぶら下げるための骨ではありません。
    それは、あなたの腕と体幹を繋ぎ、全身の力を連動させるための、最も重要な「司令塔」なのです。痛みやゴリゴリ音の解消は、この「司令塔」の機能を取り戻すための、最初のステップに過ぎません。


    【第5章】“動かない肩甲骨”が、引き起こす、さらなる「悲劇」

    ここまでお読みいただき、ありがとうございます。これで、あなたは、ご自身の肩甲骨の不調が、単なる「こり」ではなく、「筋膜の癒着」という、明確な原因から来ていることを、ご理解いただけたはずです。

    多くの、そして、軽度な不調は、ここでお話ししたセルフケアで、改善が期待できます。

    しかし。もし、あなたが、そのサインを、「大丈夫だろう」と、放置し続けたなら。あなたの肩は、やがて、より深刻な、3つの「悲劇」へと、進んでしまう可能性があります。

    悲劇① 「凍りつく、未来」(五十肩)

    癒着が、肩関節を包む「関節包」にまで広がり、カチカチに固まって、あらゆる方向に、腕が上がらなくなってしまう。→ 『【五十肩の教科書】“年のせい”ではない、本当の原因』へ

    悲劇② 「衝突する、未来」(インピンジメント症候群)

    癒着が、肩の、滑らかな動きのリズムを狂わせ、骨と腱が、常に、内部で「衝突」し続けるようになります。

    → 『【図解】インピンジメント症候群の正体』へ

    悲劇③ 「断裂する、未来」(腱板損傷)

    そして、その「衝突」が、何年も、何年も続いた、その先に。あなたの肩を支える、最も重要な命綱である「腱板」が、すり減り、やて、ブチリと、切れてしまう…

    → 『【腱板損傷の教科書】自己診断チェック』へ


    【第6章】セルフケアでも改善しない場合と、結論

    専門家の力を、借りる時

    もし、これらのセルフケアを2週間試しても、症状が全く改善しない、あるいは悪化する場合は、すでに、あなたの不調が、より深刻な段階へと、進んでしまっている、サインかもしれません。

    その場合は、安易に自己診断を続けず、お近くの信頼できる専門家(整形外科や、国家資格を持つ接骨院など)に、必ず相談してください。

    専門家は、あなたの状態に合わせて、「手技による、より専門的な筋膜リリース」や、「鍼灸治療」「温熱療法」といった、より多角的なアプローチを選択することができます。また、日常生活での「正しい姿勢」を、科学の力でサポートする、MTG社の『Style』シリーズのような製品も、非常に有効な選択肢の一つです。→ 『MTG社スタイル BXInnerの紹介』の記事へ

    正しい知識が、あなたの「翼」を解放する

    この記事が、そのための、信頼できる「一冊の教科書」となり、あなたの、固まった「翼」を、再び、自由に、解放するための一助となることを、心から願っています。

    私たちは、あなたを、脅したいわけでは、ありません。ただ、知ってほしいのです。

    あなたの体の、その小さな「ゴリゴリ音」や「痛み」というサインに、正しく、そして、早く、耳を傾けること。それこそが、あなたの肩の「未来」を、あなた自身の手で、選び取るための、唯一の方法なのだということを。

  • 「五十肩は、治るのに時間がかかる」― その“常識”、もう、古いかもしれません。

    「五十肩は、治るのに時間がかかる」― その“常識”、もう、古いかもしれません。

    「五十肩は、治るのに、1年、2年とかかる、長い付き合いになる」

    もし、あなたが、そんな風に聞かされ、その、先の見えない痛みに、うんざりしているのなら。
    この記事は、そんなあなたのための「革命の書」かもしれません。

    近年の医学の進歩は、これまで「時間がかかる」のが当たり前だった、五十肩治療の“常識”を、大きく、変えようとしています。

    この記事を読めば、あなたは、その「革命」の正体と、あなたが、本当に、取るべき、最善の選択肢を、知ることができます。

    【第1章】ついに特定された、五十肩の「本当の主犯」

    【最新医学の結論】主犯は、「関節包の“萎縮”と“癒着”」だった

    これまで「原因不明」とされてきた、五十肩。
    しかし、今、その痛みの「本当の主犯」は、肩関節を、袋のように包んでいる「関節包(かんせつほう)」という組織にあることが、分かってきました。

    何らかの原因で、この「関節包」が、

    1. まず、「炎症」を起こし、
    2. そして、その過程で、カチカチに硬く、「萎縮」し、周りの組織と「癒着」してしまうこと。

    これこそが、五十肩という、長く、つらい痛みの、本当の正体なのです。

    【第2章】あなたの肩に、今、何が起きているのか?(3つの時期と、症状)

    この「関節包の、炎症と癒着」という物語は、多くの場合、以下の3つのステージを辿って、進行していきます。ご自身の「現在地」が、どこにあるのかを、確認してみてください。

    ① 炎症期(急性期) 関節包が、燃え盛る「火事」の時期

    • 期間の目安: 発症から、約2週間〜半年
    • 症状: 何もしていなくてもズキズキ痛む(安静時痛)、夜、痛みで目が覚める(夜間痛)、腕を動かすと激痛が走る。
    • やるべきこと: とにかく、安静。 無理に動かすのは、火に油を注ぐようなものです。整形外科での注射や、アイシングなどで、まず、この「火事」を鎮めることに、専念しましょう。

    ② 拘縮期(慢性期) 関節包が、「凍りつく」時期

    • 期間の目安: 発症後、4ヶ月〜1年程度
    • 症状: 激しい痛みは和らぐが、肩が、まるで**「凍りついた」**かのように、固まって、動かなくなる(拘縮)。髪をとかせない、服が着られない、など、日常生活に、大きな支障が出ます。
    • やるべきこと: ここからが、正念場です。痛みのない範囲で、根気強く、関節を動かすリハビリを、開始する必要があります。

    ③ 回復期 氷が、ゆっくりと溶け出す時期

    • 期間の目安: 発症後、半年〜2年以上
    • 症状: 痛みが、さらに軽減し、固まっていた肩が、少しずつ、動くようになってきます。
    • やるべきこと: ここで油断せず、積極的なストレッチや、筋力トレーニングを続けることで、後遺症を残さずに、完治を目指します。

    【第3章】本当に、それは「五十肩」ですか?【鑑別診断】

    そして、最も重要なこと。あなたの治療が長引いている理由は、もしかしたら、そもそも「五十肩」ではない、別の病気が、隠れているせいかもしれません。

    • ① 腱板断裂「夜も眠れないほどの激痛」や、「腕に、全く力が入らない」といった症状がある場合。
      腱板損傷
    • ② インピンジメント症候群「腕を上げる“途中”の、ある特定の角度だけで、ズキッと痛む」場合。
      → 【図解】腕を上げると肩が痛い「インピンジメント症候群」の正体。その“衝突”、自宅でできる改善法
    • ③ 石灰沈着性腱板炎何の前触れもなく、突然、「耐え難いほどの、激痛」で、発症した場合。レントゲンで、腱板の中に、歯磨き粉のような「石灰」が見つかります。
    • ④ 上腕二頭筋長頭腱炎肩の「前面」に、痛みが集中しており、ドアノブを回すような、腕をひねる動作で、痛みが強くなる場合。

    これらの、正確な鑑別には、専門家による、丁寧な検査が不可欠です。自己判断は、絶対に、しないでください。

    【第4章】治療の“常識”を変える、新しい選択肢

    最新治療 サイレント・マニピュレーションという「革命」

    この、やっかいな「癒着」に対し、近年、専門の整形外科で行われているのが、「サイレント・マニピュレーション」です。

    これは、伝達麻酔(ブロック注射)で、腕の痛みを、完全に取った上で、医師が、徒手的に、硬くなった関節包の癒着を、物理的に、引き剥がす、というものです。
    これにより、これまで何ヶ月もかかっていた可動域の改善が、劇的に、短縮される可能性が、出てきたのです。

    【最重要】その後の「リハビリ」こそが、全てを決める

    しかし、これは、魔法ではありません。癒着を剥がした後の、正しいリハビリテーションを怠れば、体は、再び、固まってしまいます。この、“剥がした後の、最も重要な時期”のリハビリは、基本的には、処置を行った、病院の理学療法士の指導のもとで、進めていくのが、最も安全で、確実な道です。

    医師との連携があれば、選択肢は広がる

    院長
    院長

    基本的には、病院でのリハビリが第一選択です。
    しかし、私たち、なかの接骨院のように、日頃から、提携先の整形外科医と、密に連携が取れている接骨院であれば、医師の同意と指導のもと、より、あなたの生活に合わせた、きめ細やかなリハビリを、私たちが担当させていただける場合も、あります。
    全ての接骨院で、可能ではない、ということは、覚えておいてくださいね。

    【豆知識】医師の同意があれば、「鍼灸」も、保険が使える

    そして、もう一つ。あまり知られていませんが、五十肩のような、慢性的で、頑固な痛みに対しては、医師が必要と認め、同意書を発行した場合、「鍼灸治療」に、健康保険を適用することができます。

    鍼灸は、硬くなった筋肉を、深層部からゆるめ、血流を改善し、痛みを和らげるのに、非常に有効なアプローチです。
    もし、あなたが、今の治療に、プラスアルファの選択肢を求めているなら。
    かかりつけの医師に、「鍼灸の保険適用」について、一度、相談してみるのも、良いかもしれません。


    【結論】諦める前に、まず「知る」こと

    「五十肩は、時間がかかる」
    その、古い常識を、一度、忘れてください。
    医学は、進歩しています。

    大切なのは、あなた自身が、最新の、そして、正しい「選択肢」を知ること。
    そして、あなたの長い痛みに、本気で向き合ってくれる、信頼できる専門家(まずは、整形外科です)を、見つけ出すことです。

    あなたの肩は、まだ、諦めるには、早すぎます。

    [指示:記事の適切な箇所に、以下のブロックを追加してください]


    【最もシンプルな予防法】“ぶら下がり”が、あなたの肩を救う

    五十肩を予防する、最もシンプルで効果的な方法が、「ぶら下がり(デッドハング)」です。

    当院に新設された懸垂マシンを使った、安全で効果的な“ぶら下がり健康法”については、こちらの記事で詳しく解説しています:『【物干し竿、卒業】あなたの懸垂マシン、本当は“全身改善マシン”です』

    合わせて読みたい

    この記事では、「五十肩」について、詳しく解説しました。
    私たちの「図書館」には、あなたの体の悩みを解決するための、さらに多くの「専門書」が、収められています。

    【症状の、総合案内へ戻る】
    首・肩、腰、足…。あらゆる症状の、最初の入口はこちらです。
     → 『【症状から探す】当院の治療方針と根本解決への道すじ』

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    → 『【上半身の不調】専門フロア』

    【このフロアの、主要な“専門書”を読む】

    O脚 ぎっくり腰 むちうち ストレートネック スポーツ障害 リハビリ 五十肩 交通事故治療 半月板損傷 回数券 国家資格 変形性膝関節症 夜間痛 姿勢改善 子どものケガ 応急処置 手のしびれ 接骨院 接骨院 保険 接骨院 整体 違い 接骨院 整形外科 違い 接骨院 料金 接骨院 自費 整体 整形外科 整骨院 保険 根本原因 治療院 選び方 猫背 肘内障 肩こり 肩の痛み 肩甲骨 腰痛 膝に水が溜まる 膝の痛み 良い接骨院 見分け方 誠実な接骨院 運動連鎖 長岡京市 頭痛 首こり 首の痛み 骨折 骨盤矯正

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  • 【頚椎ヘルニア】「手術しかない」と諦める前に。首の痛み・手のしびれ、本当の治し方

    【頚椎ヘルニア】「手術しかない」と諦める前に。首の痛み・手のしびれ、本当の治し方

    「首が痛い…腕がしびれる…」

    病院で「頚椎ヘルニアですね」と診断され、
    「手術しかないかもしれない」
    「このしびれと一生付き合っていくしかないのか…」
    と深い不安の中にいるあなたへ。

    諦めるのはまだ早いです。

    この記事では、なぜヘルニアが起きるのかという「本当の原因」と、
    そして手術以外のあなたの体を根本から変えるための「もう一つの道」について、専門家がその全てをお話しします。

    【第1章】あなたの首に、今、何が起きているのか?

    頚椎ヘルニアの正体 「椎間板」というクッションの悲鳴

    私たちの首の骨(頸椎)は、7つの骨が積み重なってできています。
    その骨と骨の間でクッションの役割を果たしているのが「椎間板」です。

    頚椎ヘルニアとは、この椎間板の一部が本来の位置から飛び出し、近くにある神経を圧迫してしまう状態を指します。

    脊椎の数と湾曲がわかるイラスト

    なぜ、痛みや「手のしびれ」が起きるのか?

    飛び出した椎間板が神経を圧迫することで、首の痛みだけでなく、その神経が支配している肩や腕、そして指先にまで痛みや「しびれ」といった症状が広がってしまうのです。

    【第2章】なぜ、あなたの椎間板は飛び出してしまったのか?

    頚椎ヘルニアを引き起こす「3大要因」

    ヘルニアは単一の原因で起きるのではありません。
    多くの場合、以下の3つの要因が複雑に絡み合っています。

    ① 加齢による椎間板の「老化」

    年齢と共に椎間板のみずみずしさは失われ、クッションとしての機能が低下していきます。これは誰にでも起こりうる自然な変化です。

    ② 外傷による急激な「衝撃」

    交通事故やラグビーのようなコンタクトスポーツでの強い衝撃が、直接的な引き金になることもあります。

    ③ そして最も見過ごされている「姿勢」という静かなる圧迫者

    そして上記の「老化」や「衝撃」に拍車をかける最大の、そして最も日常的なリスク。それが「ストレートネック」や「猫背」といった悪い姿勢です。

    悪い姿勢はあなたの首の骨(頸椎)の特定の場所に、何年何十年という時間をかけてじわじわと圧力をかけ続けます。

    その日々の静かな「蓄積」こそが、ある日突然椎間板を悲鳴を上げさせ、飛び出させてしまう最後の引き金となるのです。


    【全ての、根本原因を知る】
    この、あなたの首に、過剰な負担をかけ続ける、根本的な「姿勢の問題」について、
    より、深く、知りたい方は、以下の「教科書」が、必ず、役に立ちます。

    → 『ストレートネックの教科書』へ
    → 『猫背の教科書』へ


    【第3章】手術の前に知っておくべき「希望の科学」

    【驚きの事実】飛び出したヘルニアは“消える”ことがある

    ここで一つ衝撃的な、しかし希望に満ちた「事実」をお話しします。

    実は飛び出してしまった椎間板ヘルニアは、多くの場合自然に小さくなっていく、あるいは完全に消えてしまうことが近年の研究で分かってきました。

    “食べてくれる”救世主「マクロファージ」の大活躍

    なぜそんなことが起きるのか。

    それは私たちの体の中に「マクロファージ」という、非常に優秀な「お掃除細胞」がいるからです。

    椎間板が本来あるべき場所から飛び出すと、体はそれを「異物だ!」と認識します。するとこの「マクロファージ」たちが現場に駆けつけ、飛び出したヘルニアをゴミを食べるようにパクパクと掃除し片付けてくれるのです。

    この私たちの体に生まれつき備わっている偉大な「自己治癒能力」こそが、手術をしなくても多くのヘルニアが改善していく最大の理由なのです。

    長期的に見れば「手術」と「保存療法」の成績は変わらない

    だからこそいくつかの信頼できる研究報告では、「手術をした人」「しなかった人」2年後の改善度にほとんど「差がなかった」という驚きの結果が出ています。

    では、本当の「分かれ道」はどこにあるのか?

    本当の回復への「分かれ道」。
    それは「手術をするかしないか」ではありません。

    それは「ヘルニアが起きざるを得なかった、体そのものを変えようとしたかどうか」
    ただそれだけなのです。

    【第4章】手術以外の道。私たち、手技専門家の、アプローチ

    私たちは「ヘルニア」そのものを治すのではない

    まず明確にしておきます。
    飛び出してしまった「ヘルニア」そのものを、私たちの手で引っ込めることはできません。
    それができるのはお医者さんのメスだけです。

    私たちが、治すのは、「ヘルニアが、痛みや、しびれを、引き起こしている“環境”」そのものである

    しかし私たちはこう考えます。

    「なぜ、あなたのヘルニアは、神経を、圧迫し続けているのか?」と。

    私たちの本当の仕事は、

    • ヘルニアの周りで、過剰に緊張し神経の通り道を狭めている筋肉を、的確な手技で“解放”
    • 神経そのものが、周囲の組織と癒着し動きが悪くなっているのを“神経モビライゼーション”という、特殊な手技で滑らかに動けるようにしてあげる。
    • そしてそもそもその全ての原因となった体全体の「姿勢」“再教育”する。

    あなたの体がたとえヘルニアがそこにあったとしても、もはや痛みやしびれを感じることのない健やかな「環境」を創り出すことなのです。

    【結論】「手術」という言葉に、絶望する前に

    頚椎ヘルニアという診断名は、決して「終わり」の宣告ではありません。
    それはあなたの体があなたに送ってくれた、「今までの体の使い方、間違っていたよ」という、大切な「サイン」なのです。

    そのサインに誠実に向き合えば、道は必ず開けます。
    どうか諦めないでください。

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