

Jボードは子どもたちの間で大人気ですが、まさか我が子が骨折事故に遭うとは夢にも思いませんでした。7歳の娘がJボードで転倒し、前腕を骨折したあの日。接骨院の院長である私自身が、その瞬間に直面し、応急処置から病院での対応までを経験しました。
この実体験を通じて、Jボードの隠れた危険性と、もしもの時に知っておくべき安全対策、そして柔道整復師としての初期対応の重要性を痛感しています。
この記事では、具体的な事故の経緯から、正しい応急処置のポイント、そして大怪我の際に接骨院がどのように役立つのかを詳しくお伝えします。お子様の安全を守り、万が一の事態に備えるために、ぜひ最後までお読みください。
Jボード事故!我が子の骨折から見えた「落とし穴」
事故発生から手術までの緊迫した時系列
事故は夕方18時40分に発生しました。すぐに119番に連絡し、休日夜間対応可能な病院リストを教えてもらいましたが、近隣の大型病院では対応できないとの回答が続き、病院探しは難航しました。
この間、私は自宅にあった木材(ワンバイ材)を使い、すぐに娘の前腕を固定する応急処置を施しました。この処置のおかげで、娘は痛みが和らぎ、泣き止んで落ち着きを取り戻すことができました。
最終的に病院が決まったのは19時25分。担当医が手術中のため2〜3時間の待ち時間を経て、22時45分に診察が始まりました。レントゲン検査の結果、尺骨の若木骨折と橈骨の完全骨折が判明し、全身麻酔での手術を勧められました。ワイヤーを用いた整復手術は深夜2時30分に無事終了し、翌日朝にはギプス調整を済ませて帰宅することができました。
病院での迅速な対応とJボードの真の危険性
今回の事故では、長時間の待ち時間があったものの、病院の先生方の柔軟なご対応により、整形外科の先生が迅速に手術を行ってくださったことに心から感謝しています。一晩で全ての手術と処置を終えられたことは、本当にありがたいことでした。
しかし、この経験を通じて、Jボードの持つ危険性を改めて認識しました。担当医からは、今回の前腕両骨骨折ですら「まだ軽度」と告げられ、Jボードによるさらに重篤な骨折や怪我が多いことを伺いました。自治体によってはJボードの使用を禁止している地域があることからも、その危険性の高さがうかがえます。
Jボードは子どもたちに人気がある一方で、多くの場合、子どもたちだけで乗り方を覚え、交通ルールや防具着用の意識が希薄になりがちです。転倒しやすいスポーツであるにもかかわらず、正しい転び方や安全対策を教えられていないことが、事故を増加させる要因になっていると感じています。今回の娘の事故は、乗りこなせるようになった「慣れ」や「慢心」が招いたものだと深く反省しています。
親として、このようなJボード事故が少しでも減るよう、この記事が皆様のお子様の安全を見守る一助となることを願っています。
- 18:40事故発生
Jボードで7歳の娘が骨折
- 18:43119
骨折で救急車を呼ぶのは気が引けるので休日夜間対応できる病院をリストアップしてもらった
- 18:49近隣の大型病院では対応できず
リストにあった近隣の大型病院では対応できないと言われたため、応急処置を開始
- 応急処置
自宅にあったワンバイ材にて固定
- 19:10病院探し
10件近くあったリスト全てに問い合わせするも決まらず
- 19:25病院決定
119で一番見てもらえる可能性が高いと言われてた病院に決定。担当医が手術中であるため2,3時間は待たないと行けない
- 19:43病院へ出発
この頃には固定の効果もあってか、泣くことも無く落ち着いて病院へ道中眠るくらいに落ち着いている。
- 20:15病院到着
受付を済まし車で待機、寝たり夕食をとったり落ち着いて過ごす
- 22:45診察開始
説明を受けレントゲンへ
- 22:50レントゲン
撮影後少し待ち再度診察へ
- 22:55診察、方針決定
尺骨の若木骨折、橈骨完全骨折判明
全身麻酔での手術をすすめられ段階的に整復を行うとのこと
徒手整復、ワイヤーで橈骨を引っ張る、ワイヤーを通す
許容範囲の整復ができたところで終わるとの事 - 26:30手術へ
結果ワイヤーで引っ張って整復で終了したらしい。
手術室へ向かうまでは副木固定は外さず術後ギプス固定 - 14:00帰宅
手術は1時間程度で済み
朝起きてギプスの調整などを済ませ帰宅しました。
「もしも」の時に役立つ!骨折時の応急処置の重要性
お子様のJボード事故で骨折が疑われる場合、「どうしたらいい?」とパニックになるかもしれません。しかし、そんな時こそ落ち着いて適切な応急処置を施すことが、その後の経過を大きく左右します。私自身の体験を通じて、初期の応急処置がどれほど重要であったかを強く実感しています。
なぜ初期の応急処置が不可欠なのか?
- 骨折や脱臼などの大怪我を負った際、病院に到着するまでの間に適切な応急処置を行うことは、以下の点で非常に重要です。
- 医療機関での処置のスムーズ化: 適切に固定されていれば、病院での診察や検査がスムーズに進むことが多いです。
- 痛みの軽減: 患部を固定することで、骨折部位の動きが最小限になり、激しい痛みを和らげることができます。
- 症状の悪化防止: 不安定な骨折部位が動くことで、周囲の神経や血管を傷つけたり、骨折が悪化するのを防ぎます。
- 精神的安定: 痛みが軽減され、患部が守られていると認識することで、負傷した本人の不安や恐怖を和らげることができます。特に子どもにとっては、精神的な安定が非常に大切です。

もし何の処置もしていなければ、病院にたどり着くまでの移動や、診察を待つ間も、お子様は激しい痛みと不安に苛まれ続けたことでしょう。
我が子の事例から学ぶ応急処置の効果
娘のJボード事故の際、私が柔道整復師としての知識を活かし、すぐに自宅にあった木材(ワンバイ材)で前腕を固定しました。この簡易的な副木固定が、娘の骨折治療において非常に大きな役割を果たしました。
実際、この副木は手術室に入るまで外されることなく、娘は病院を探し、診察を待つ間、比較的落ち着いて過ごすことができました。固定されているおかげで、痛みが抑えられ、寝たり食事をとったり、友人と笑顔で話せるほどだったのです。もし私が素人だったら、怖くて何もできなかったかもしれません。折れた骨が不安定なまま長時間過ごすことを考えると、ゾッとします。
この経験から、骨折時の応急処置は、単に一時的な手当に留まらず、負傷者の身体的・精神的な負担を大きく軽減し、その後の治療のスムーズさに繋がる、まさに不可欠な行動であることを改めて深く認識しました。
Jボードの安全対策 子どもの怪我を防ぐために親がすべきこと

正直、今回の事故は親として『もう乗れるようになったから』という私の慢心が招いた部分も大きいです。お子様のJボード安全対策は、親の意識から始まります。
Jボードは楽しい乗り物ですが、その危険性を正しく理解し、適切な安全対策を講じなければ、骨折などの大怪我につながるリスクが伴います。私の娘の事故から得た教訓として、親が積極的に関わり、子どもの安全を守るための行動を強く推奨します。
Jボード特有の危険性と問題点
ボードが抱える主な問題点として、以下の点が挙げられます。
- 不安定な構造: 常にバランスを必要とするため、不意な段差や小石で転倒しやすい。
- 急な方向転換: 慣れていないと、急カーブや方向転換時にバランスを失いやすい。
- 防具着用の軽視: 「ちょっとだけ」と、ヘルメットやプロテクターなしで乗ってしまうケースが多い。
- 交通ルールへの意識不足: 子どもたちだけで乗っていると、車や歩行者への注意が散漫になり、思わぬ事故を招く可能性がある。
- 「慣れ」による慢心: 乗れるようになることで、危険性への意識が薄れ、無理な乗り方をしてしまう。
これらの問題点を理解し、事故を未然に防ぐための対策を講じることが、親の重要な役割です。
転倒時の対処法と防具着用の徹底
Jボード事故による怪我を最小限に抑えるためには、「転び方」を学ぶことと「防具を徹底すること」が何よりも重要です。
- 正しい転び方を教える: 転倒しそうになった際に、頭や顔、手首を保護するための「受け身」の取り方、力が抜けた状態で転ぶ練習などを、遊びの中で教えてあげましょう。地面に手をついて手首を骨折するケースが多いため、肘や肩から着地する練習も有効です。
- 防具着用の徹底: Jボードに乗る際は、以下の防具を必ず着用させてください。
- ヘルメット: 最も重要な防具です。頭部への衝撃は命に関わります。
- 肘当て・膝当て: 転倒時に地面に打ち付けやすい肘と膝を保護します。
- リストガード: 手首の骨折や捻挫を防ぐために非常に効果的です。
「短時間だから」「家の前だから」といった油断が大怪我につながります。防具着用を習慣化させることが大切です。
正しい乗り方と交通ルールの指導
Jボードは公道や駐車場など、車や人通りの多い場所での使用は非常に危険です。安全な場所を選び、正しい乗り方と交通ルールを徹底的に指導しましょう。
- 安全な場所で練習する: 広くて平坦な公園や広場など、車や歩行者が少なく、十分なスペースがある場所を選んでください。
- 保護者の監督下で利用する: 特に慣れないうちは、必ず保護者がそばで見守り、アドバイスや注意をしてあげましょう。
- 交通ルールの指導: 他の歩行者や自転車、車に配慮し、急な飛び出しや無理な走行をしないよう、交通ルールとマナーを繰り返し教えてあげてください。
- 友達との利用時の注意: 子ども同士で乗る場合、エスカレートして危険な行為に及ぶことがあります。友達と乗る際にも、安全ルールを守るよう指導しましょう。
今回の娘の事故は、私自身が親として「もう乗れるようになったから」と過信してしまった部分があったと深く反省しています。この経験が、一つでも多くのJボード事故を防ぐきっかけとなることを願っています。
大怪我の時こそ!柔道整復師(接骨院)にまず相談してほしい理由

今回の体験で、改めて痛感しました。もしもの時、病院に行くまでの『初期対応』で、私たち柔道整復師がお役に立てることがたくさんあります。不安な時は、まずご相談ください。
接骨院は病院への「つなぎ役」として機能する
骨折や脱臼といった大怪我の場合、最終的な診断や手術、その後の専門的な治療は医療機関(整形外科など)で行われます。しかし、接骨院は、事故直後の初期対応において、非常に重要な役割を果たすことができます。
私たちは、骨折や脱臼の疑いがある状態を的確に評価し、適切な応急処置を施す専門的な知識と技術を持っています。今回の私の娘の事例のように、迅速な副木固定などの応急処置は、その後の痛みを軽減し、状態の悪化を防ぎ、医療機関でのスムーズな治療へと繋げるための重要な第一歩となります。
初期対応の専門性と、緊急時のサポート
接骨院は、地域に根ざした存在として、急な怪我に見舞われた方々の初期対応を迅速に行うことができます。病院の救急外来のように長時間待つことなく、比較的すぐに相談できる場合が多いです。
お子様が泣き叫ぶような激しい痛みがある大怪我、例えば今回の骨折のように緊急性が高い場合でも、私たちは迅速に評価し、適切な初期処置を行うことができます。
また、柔道整復師は、骨、関節、筋肉、腱、靭帯といった運動器系の怪我の専門家です。骨折や脱臼の疑いがある場合、専門的な視点から状態を評価し、適切な判断を下すことができます。「もしかして骨折したかも?」といった不安な状況はもちろん、「これは尋常ではない」と感じるような重度の怪我の際にも、まずはお気軽にご相談ください。
緊急性が高い場合には、往診対応も検討できる場合がありますので、まずは慌てずに当院にご連絡ください。私たちは、現場での適切な判断と初期処置で、患者様を速やかに次のステップへと繋げます。
適切な医療機関への紹介と治療連携
接骨院での初期対応の結果、より専門的な医療機関での治療が必要と判断される場合には、速やかに適切な病院や整形外科をご紹介いたします。特に重症例においては、当院での応急処置後、円滑に専門医の診察へ繋げることが非常に重要だと考えています。
今回の私の娘の骨折事故の際も、夜間の時間外でなかなか受け入れ先が見つからず、病院探しに苦慮しました。**このような、時間外で受け入れ可能な病院が見つからない緊急性の高い状況でも、まずは私たち柔道整復師を頼っていただければ、適切な初期判断と応急処置を行い、医療機関への最善のルートを共に探します。**地域の医療機関との連携も密に行っているため、患者様がスムーズに専門医の診察を受けられるようサポートすることが可能です。
また、病院での治療後、リハビリテーションが必要になった場合にも、接骨院で継続的なサポートを提供できます。柔道整復師は、怪我からの回復を促し、日常生活やスポーツへの復帰を支援するための専門的なリハビリテーションの知識と技術も持ち合わせています。患者様が安心して治療に専念できるよう、病院と接骨院が協力し、包括的なサポート体制を築いています。
大怪我で困った時、どこに相談すれば良いかわからない時。まずは地域の接骨院にご連絡ください。私たちは、皆様の健康と安全を第一に考え、適切なサポートを提供いたします。
まとめ
子どもの安全のために、私たちができること
今回のJボード事故は、私自身が柔道整復師として、そして一人の親として、子どもの怪我や事故への向き合い方を深く考えさせられる経験となりました。まさか我が子が骨折するとは、という驚きと、応急処置の重要性を改めて痛感する出来事です。
Jボードの危険性を過小評価せず、常に安全対策を意識することの重要性を、改めて皆様にお伝えしたいと思います。防具の徹底、正しい乗り方の指導、そして安全な場所での利用を心がけることで、お子様を予期せぬ大怪我から守る確率が高まります。今回の事故は、親として「もう大丈夫」という慢心があったことを深く反省しています。
そして、万が一の怪我、特に骨折や脱臼が疑われるような場合には、初期の応急処置がどれほど重要か、私の実体験から強く感じています。正しい知識と冷静な判断が、お子様の痛みや不安を大きく和らげ、その後の治療のスムーズさに繋がります。
困った時、どこに相談すれば良いか迷った時には、ぜひ地域の柔道整復師にご相談ください。私たち接骨院は、骨折や捻挫などの怪我に対し、専門的な初期対応と適切な医療機関への紹介を行うことができます。地域の皆様の健康と安全をサポートするため、今後も尽力してまいります。

この記事が、Jボード事故を少しでも減らし、親御さんがお子様の安全をより一層見守るきっかけになることを心から願っています。今回の事故は親として反省するべき点が多かったと思います。
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