階段を下りる時、あなたの膝には体重の…
最大7倍
階段を下りる、その一歩。
あなたの膝に走る、あの鋭い痛みは、「年のせい」という、曖昧な現象ではありません。
それは、あなたの膝の“構造”と“機能”が、もはや限界に達していることを示す、極めて正確な、物理的な“警告信号”なのです。
こんにちは。長岡京市のなかの接骨院です。
この記事は、その“警告信号”を、科学の目で、正しく“解読”し、根本改善への、最短ルートを見つけ出すための、専門家による、技術レポートです。
【第1章】痛みの“本当の震源地”は、軟骨ではない
「軟骨がすり減っているから痛い」 これは、痛み治療における、最大の“誤解”の一つです。 なぜなら、関節軟骨の組織そのものには、痛みを感じる神経が、存在しないからです。 では、一体、何が悲鳴を上げているのか。 その“本当の発生源”は、レントゲンには映らない、以下の2つの組織です。
痛みの“発生源”は、レントゲンには映らない
では、もし、痛みの原因が軟骨でないのなら、一体、何が悲鳴を上げているのでしょうか。
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1.滑膜の炎症
関節を包む「滑膜」が繰り返しの負荷で炎症を起こし、ズキズキとした痛みを発生させます。
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2.軟骨下骨への衝撃
軟骨が薄くなると、その下の神経豊富な骨に衝撃が直接伝わり、きしむような痛みを引き起こします。
つまり、あなたの痛みは、「滑膜の炎症」と「骨への衝撃」という、レントゲンには映らない、2つの“原因”によって、引き起こされているのです。
なぜ「軟骨がすり減っても痛くない人」がいるのか?
整形外科でレントゲンを撮り、「軟骨が摩耗していますね」と告げられた経験があるかもしれません。しかし、その「見た目」と、あなたの「痛み」は、必ずしもイコールではありません。
これは、驚くべき事実かもしれませんが、関節軟骨の組織そのものには、痛みを感じるための神経(侵害受容器)が、存在しないのです。
だからこそ、高齢者のレントゲンを撮れば、多くの方に軟骨の摩耗が見られるにも関わらず、その全員が、膝の痛みに苦しんでいるわけではない。この「見た目の変化と、症状の不一致」こそが、痛み治療における、最も重要な、しかし、最も見過ごされがちな、出発点なのです。
【第2章】あなたの膝で起きている“エラー”の正体
では、なぜ、あなたの膝に、その「滑膜の炎症」や「骨への衝撃」が、起きてしまったのでしょうか。
その原因を、あなた自身が理解するための、2つの“エラーパターン”を解説します。
エラー① 負のトライアングル
1.膝蓋骨の軌道異常
(膝蓋大腿関節症)
膝のお皿が正しいレールから脱線
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2.脂肪体の炎症
(ホッファ病)
脱線した皿がクッションを刺激し炎症
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3.関節全体の変性
(変形性膝関節症)
慢性的な炎症が変形を進行させる
エラー② 運動連鎖の破綻
そして、その悪循環の、最初の引き金となるのが、本来、衝撃を吸収すべき「股関節」と「足首」の、機能不全です。
この、「眠っているお尻」と「硬くなった足首」こそが、あなたの膝を、過酷な状況に追い込んでいる“本当の原因”なのです。
【第3章】回復を妨げる、2つの“罠”
罠①
効果の不確かなサプリメントへの“期待”
CMなどで人気のグルコサミンやコンドロイチン等が、プラセボ(偽薬)を上回る、明確な効果を持つ、という、質の高い科学的根拠は、存在しません。米国整形外科学会(AAOS)なども、その使用を「強く推奨しない」と結論付けています。
罠②
痛みを我慢しての“膝の筋トレ”
膝の軌道がズレたまま、スクワットなどに励むのは、歪んだレールの上で、ヤスリをかけるようなもの。炎症を、さらに悪化させるリスクを伴います。
【第4章】“エラーコード”を、書き換えるために
では、どうすれば良いのか。
私たちの仕事は、痛む膝だけを、マッサージすることではありません。
あなたの体全体の“動きのクセ”を、精密に評価し、根本原因である「運動連鎖の破綻」を、修正すること。
すなわち、「眠っているお尻」を目覚めさせ、「硬くなった足首」を解放し、膝が、もう“被害者”にならなくても済む、正常なチームワークを、取り戻させることです。
「安静」や「湿布」といった、受動的な保存療法とは、全く異なります。
我々が提供する【徒手療法】とは、あなたの体に、積極的に介入し、痛みを引き起こす“エラー”そのものを、根本から断ち切る、“能動的”で“戦略的”なアプローチなのです。
【次のステップ】あなたの“知の探検”を、ここから始める
この記事で、あなたの膝の痛みの“全体像(地図)”は、手に入りました。
次は、その地図を手に、それぞれの“目的地”を、より深く、探検する旅です。
我々の“図書館”には、あなたの、さらなる“なぜ?”に答えるための、専門書を、ご用意しています。
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→ 『【当院の治療哲学】なぜ、痛む場所以外も施術するのか? ― 運動連鎖(キネティックチェーン)の全貌』 - そして、そもそも「痛みとは何か?」という、最も本質的な問いに、答えが欲しいなら…
→ 『なぜ、あなたの痛みは治らないのか?― 最新研究で解き明かされる「痛みの、本当の姿」』