「とりあえず湿布」で治らない本当の理由|痛み止め(ロキソニン等)のメリット・デメリットと痛みの正体

痛み止めが『効く痛み』と『効かない痛み』の文字入りアイキャッチ画像。錠剤と湿布、全身に広がる神経と血管のネットワークを表現したサイエンス風イメージ。長岡京市のなかの接骨院

こんにちは。長岡京市のなかの接骨院、院長の中野雄太です。

日々の診療の中で、「とりあえず痛いから、毎日ロキソニンテープを貼っています」という患者さんに非常によくお会いします。中には、本当に湿布や痛み止めのお薬が大好きで、お守りのように常に使われている方もいらっしゃいます。

院長
院長

多くの方は、「薬=悪いところを治してくれる魔法のアイテム」「自分の欲しい効果(痛みを取る)だけをくれるもの」と考えておられるのかもしれません。
しかし、プロの視点から言わせていただくと、お薬というものは必ず体の中で「何かを阻害(ストップ)」させることで効果を出しており、そこにはメリットの裏に必ずデメリットが存在します。

これまで、診療の短い時間ではなかなか深くお話しすることができませんでしたが、今回は「痛み止め(消炎鎮痛剤)が体の中で何をしているのか」、そして「なぜ、薬を使っても治らない痛みがあるのか」について、生理学の観点から分かりやすく解説したいと思います。

この記事を最後までお読みいただければ、「薬が効く痛み」と「効かない痛み」の違いがはっきりと分かり、ご自身の痛みにどう向き合うべきかの答えが見つかるはずです。


【第1章】痛み止めの真実:薬は体の中で何をしているのか?

ロキソニン等に代表される「NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)」と呼ばれるお薬や湿布は、痛みを抑える非常に優れた力を持っています。では、体の中で具体的にどのような働きをしているのでしょうか。

痛みの黒幕「プロスタグランジン(PG)」をストップさせる

ケガをしたり、組織が傷ついたりすると、体の中では「プロスタグランジン(PG)」という強力な物質が大量に作られます。
このPGは、痛みのセンサーを過敏にし、血管を広げて患部をパンパンに腫れ上がらせ、熱を持たせる「火事(強い炎症)」を引き起こす主役です。

痛み止めのお薬や湿布の成分は、この「PGが作られる働きをブロック(阻害)する」役割を持っています。
PGが作られなくなることで、激痛や腫れ、熱が魔法のようにスッと引いていくのです。

【第2章】薬が「劇的に効く痛み」と「全く効かない痛み」の違い

「薬を飲んでも、湿布を貼っても全然痛みが治らないんです…」というお悩み。実はそれ、薬が効かないのではなく、そもそもその痛みの原因が「薬の得意分野ではない」からです。

① 薬が「効く」痛み = 強い炎症(火事)

骨折や強い捻挫、ぎっくり腰の直後など、「組織が壊れてPG(炎症物質)が大量に出ている時」。これはお薬の力が最大限に発揮されます。「何もしなくてもズキズキ痛い」「熱を持っている」という初期段階では、お薬による消火活動(痛みのコントロール)が非常に有効です。

② 薬が「効きにくい」痛み = 筋肉の酸欠・神経の圧迫

慢性的な肩こりや長引く腰痛、あるいは腕や足のしびれ・だるさ。
これらは、筋肉がガチガチに固まって血管や神経が締め付けられ「酸欠(血行不良)」を起こしている状態です。ここに「炎症(PGの大量発生)」は起きていません。
火事が起きていない場所に一生懸命消火剤(薬)を撒いても、効果が出ないのは当然なのです。

【第3章】「貼るだけだから安全」は大間違い?湿布の落とし穴

「飲む薬は胃が荒れるから怖いけど、湿布(テープ)なら患部に貼るだけだから安全でしょ?」
これも、非常に多くの方が誤解されているポイントです。

実は、湿布などの経皮吸収型のお薬も、皮膚の下の毛細血管から吸収され、血液に乗って全身を巡ります(全身作用)。
つまり「口から飲むか」「皮膚から入れるか」の入り口が違うだけで、体の中でPGをストップさせる働きは、飲み薬と全く同じなのです。

そのため、大量に貼ったり長期間使い続けたりすると、飲み薬と同様に胃腸への負担など、本来の副作用リスクに注意が必要だと一般的に言われています。(※複数枚の湿布を貼りながら、さらに飲み薬も併用するのは、薬の過剰摂取となる恐れがあるため大変危険です)

薬のメリットの裏にある「最大のデメリット」とは

そして、もう一つ知っておいていただきたい重要な事実があります。
痛みを引き起こす悪者のように見える「プロスタグランジン(PG)」ですが、実は「胃の粘膜を保護する」役割や、「血管を広げて血流を良くし、傷ついた組織に栄養を運んで『治癒』を促す」という、人間の体にとって絶対に欠かせない役割も持っています。

つまり、長期間お薬や湿布に頼り続けるということは、痛みを抑えるのと引き換えに「体を治すための血流(回復力)までストップさせてしまう」ことになりかねないのです。これが、慢性的な痛みがいつまでも治らない「負のループ」に陥る原因の一つです。

誤解しないでいただきたいのは、お薬や湿布を否定しているわけではありません。急激な痛みや強い炎症をコントロールするために、医療機関で処方されるお薬は非常に有効で大切な手段です。

しかし、もしあなたが「薬を使っても一時しのぎにしかならない」「長引く痛みやだるさが取れない」と悩んでいるなら。それは、薬では届かない「筋肉の物理的な固まり(タイトネス)」「神経の絞めつけ(絞扼)」による酸欠状態が原因である可能性が高いです。

この「物理的なロック」は、薬で散らすのではなく、手技によって筋肉のトンネルを広げ、本来の正しい血流を再開させることでしか根本解決はできません。
それこそが、解剖学と運動連鎖を熟知した私たち「なかの接骨院」の最大の役割です。

「とりあえず湿布」を繰り返して治らないお悩みがあれば、ぜひ一度、当院にご相談ください。薬に頼り続ける前に、あなたの痛みの「本当の正体」を一緒に見つけ出し、根本から改善するお手伝いをさせていただきます。

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