「この先生、本当は何を考えてるんだろう?」
「もしかして、長く通わせるために、わざと治してないんじゃ…?」
こんにちは。長岡京市のなかの接骨院、院長の中野です。
もしあなたが、施術を受けながら、心のどこかで、私たち治療家に対して、そんな不安や疑念を、少しでも感じたことがあるなら。この記事は、そんなあなたのための、私からの“本音”のメッセージです。
ここでは、普段は決して聞けない「治療家の本音」を、業界の少しデリケートな裏側の話も含めて、包み隠さず、すべてお話しします。この記事が、あなたと、あなたが信頼する先生との関係を、より深く、確かなものにする一助となれば幸いです。
【本音①】
私が、この道を選んだ“本当の理由”と
今、抱える“葛藤”
全ての始まりは、一人の“師匠”との出会いでした。
私がこの仕事を始めたきっかけは、とてもシンプルです。学生時代、怪我に悩んでいた私を救ってくれた、師匠である先生に「君も、この道に進んでみないか」と誘われたから。ただ、それだけでした。
その恩を、今度は私が、次の世代に返していく。その一心で、これまでやってきました。私自身が誰かを誘ったことは一度もありません。しかし、かつて当院に通ってくれていた学生さんたちの中から、私の背中を見てか、「先生のような、治せる人になりたい」と、この同じ道を選んでくれた子たちが、何人もいること。それが、私の治療家人生における、何よりの“誇り”です。

しかし、その“誇り”と同時に、私は、強い“葛藤”も抱えています。
私がこの業界に入った頃から、接骨院は乱立し、モラルは乱れ、患者様の奪い合いが始まりました。行き過ぎた保険組合からの調査(患者照会)に、心を疲弊させられる日々。世の中の物価は上がり続けるのに、私たちの技術料(療養費)は、一向に上がらない。私は、ただ、真面目に、患者様と向き合ってきただけなのに、なぜ、こんなにも厳しい状況に置かれなければならないのか。
正直に言って、「今からの若い子に、こんな厳しい仕事を、軽々しくは勧められない」。それが、私の、偽らざる“本音”なのです。
【本音②】
それでも、私が「保険診療」に
こだわり続ける理由
厳しい現実を前に、多くの同業者が、保険診療に見切りをつけ、高額な自費診療へと移行しています。その経営判断は、痛いほど理解できます。しかし、それでも、私は、この「保険で怪我を治す」という、私たちの原点から、決して、離れるつもりはありません。

病院でヘルニアと診断されたんですけど、手術しかないんでしょうか…?

病院へ行って、どうなりましたか? もし、手術の適応でなければ、湿布や痛み止め、コルセットを作って、あとは「安静に」と言われて、終わりではありませんでしたか?
多くの研究が示す通り、手術と、質の高い保存療法(手技療法)の長期的な治療成績に、大きな差はありません。だとしたら、ただ安静にするだけの保存療法と、痛みの“本当の原因”にアプローチする、我々の“ちゃんとした手技”、あなたは、どちらを選びますか?
【本音③】
お金と信頼の話
なぜ、私は“回数券”を絶対に勧めないのか
「整骨院は高い」「回数券を勧められて断れなかった…」。そんな声を耳にするたび、私は、同じ業界の人間として、本当に胸が痛みます。
だからこそ、ここで、私の“本音”を、はっきりと、お伝えさせてください。
私は、回数券というシステムは、治療の本質から外れている、と考えています。
なぜなら、私たちの仕事は、一日でも早く患者様を治し、「もう来なくても大丈夫ですよ」と、笑顔で送り出すことだからです。未来の通院回数を、あらかじめ縛るようなことは、その理念に反します。
もちろん、経営のために様々な工夫が必要なことは、痛いほど理解できます。しかし、その前に、まず知ってほしいのです。
- なぜ、接骨院の料金は、そもそも“分かりにくい”のか?
→ その背景には、広告の規制など、業界が抱える構造的な問題があります。 - なぜ、私たちは「白紙の用紙」にサインをお願いするのか?
→ それは、あなたの負担を軽くするための、信頼に基づいた制度だからです。
これらの“仕組み”を、正直に、丁寧に、説明することなく、ただ高額な回数券を勧めてくるような院は、少なくとも、私は、信頼しません。この“本音”が、あなたが良い治療院を見分けるための一助となることを、心から願っています。
【本音④】
なぜ痛む場所以外も触るのか?
私たちが“犯人”を見つけ出すプロセス
「腰が痛いのに、なぜ股関節や足首を触るんですか?」
これは、患者様からよくいただく、当然の疑問です。そして、この問いにどう答えるかこそが、治療家の“本質”が問われる瞬間だと、私は考えています。
結論から言うと、悪い場所だけで治せる症状は限られています。
例えば、膝の痛みは「硬くなった股関節」をかばった結果であり、腰痛は「崩れた足元の土台」のしわ寄せかもしれません。私たちは、体全体の繋がり(運動連鎖)から根本原因にアプローチします。これこそが、プロの仕事です。
だからこそ、私たちの仕事は「診断名」に囚われることではありません。かつて私は、病院で3度も見逃されたお子様の肘内障を、お母様からの電話の内容だけで「原因はここにあるはずだ」と見抜いた経験があります。(→ その時の、詳しい経緯はこちら)
目の前の患者様の言葉と体に真摯に向き合い、全ての可能性を疑い、全ての責任を自ら負う。もし、私たちの専門領域外だと判断すれば、正直にそうお伝えし、最適な医療機関へご紹介する。それが、治療家としての、最低限の“覚悟”だと思っています。
【最後に】
私から、あなたへの、たった一つのお願い
ここまで、私の“本音”にお付き合いいただき、ありがとうございました。
医療費の高騰が叫ばれ、世の中の物価は上がり続け、今後も、私たち柔道整復師の業界は、厳しい状況が続くと、思われます。
それでも、私たちは、この場所で、戦い続けます。
一人でも多くの患者さんが、より良い施術を、安価に受けられるように。
だから、もし、よろしければ。この記事を読んで、少しでも、私たちの想いを、ご理解いただけたなら。
どうか、あなたの街で、真面目に、患者様と向き合っている、私たちのような、柔道整復師のことを、少しでも、温かい目で見て、そして、応援していただけると、幸いです。


