【スポーツ肘の治し方】野球肘・テニス肘の正体、「上腕骨外側上顆炎・内側上顆炎」とは?

スポーツ肘、野球肘、テニス肘のイラスト

「また肘が痛い…もう思い切りプレーできないんだろうか…」

野球、テニス、ゴルフ…
あなたが愛してやまないそのスポーツが、あなたの肘を蝕んでいく。

この記事は、そんな「スポーツ肘」に悩む全ての、アスリートと愛好家のための「最後の教科書」です。

難しい解剖学の話はしません。
あなたの肘に今何が起きているのか
そしてどうすれば本当に治るのか
その最もシンプルで、最も本質的な「答え」だけをお話しします。

【第1章】あなたの肘の痛み、正体はたったの“2種類”です

① 肘の「内側」が痛む場合(野球肘、ゴルフ肘など)

これはボールを投げたり、クラブを振り抜いたりする時に使う「手首を内に曲げる」筋肉が悲鳴を上げているサインです。
医学的には「上腕骨内側上顆炎」と呼ばれます。

② 肘の「外側」が痛む場合(テニス肘など)

これはボールを打つインパクトの瞬間などに使う「手首を外に反らす」筋肉が悲鳴を上げているサインです。
医学的には「上腕骨外側上顆炎」と呼ばれます。

まとめ

痛む場所どんな動きで使う筋肉か代表的なスポーツ
肘の外側手首を外に反らすテニス
肘の内側手首を内に曲げる野球・ゴルフ

【第2章】“競技”別 痛みの特徴と、最も恐れるべき「未来」

① テニス肘・ゴルフ肘 大人の使いすぎの悲鳴

テニスやゴルフを愛する中高年の方に多いのが特徴です。
ドアノブを回したり、物をつかんで持ち上げたりといった、日常生活の何気ない動作でも痛みが出始めると、注意が必要です。

② 野球肘 子どもの、成長期に潜む「3つの時限爆弾」

特に成長期の子どもたちの「野球肘」は、痛む場所によって危険度が全く異なります。

  • 内側型野球肘: 主に小学生低学年。投球時に肘の内側が痛む。
  • 外側型野球肘: 主に小学生高学年〜中学生。肘の外側が痛む。
  • 後方型野球肘: 主に中学生後半〜高校生。肘の後ろ側が痛む。

【保護者・必読】最も恐れるべき「関節ねずみ(離断性骨軟骨炎)」とは

特に外側型野球肘を放置した場合。

肘の軟骨が骨から剥がれ落ち、関節の中をネズミのように動き回る
「関節内遊離体(いわゆる関節ねずみ)」
へと移行してしまう最悪のケースがあります。

こうなると肘が急に動かなくなったり(ロッキング)、
最悪の場合手術が必要となり、
選手生命を脅かす事態にもなりかねません。

「たかが肘の痛み」と軽視しないこと。
それがあなたのお子様の未来を守るための、最も重要な第一歩です。


【第3章】“肘だけ”を見ても治らない。本当の「根本原因」

なぜあなたの肘の、ほんの一点だけに、それほどのストレスが集中してしまうのか。
それは本来そのストレスを分散してくれるはずの、他の部位が、正しく、機能していないからです。

その、最も、関連性の高い部位こそが、「肩甲骨」「体幹」です。

肩甲骨の動きが悪かったり、体幹が不安定だったりすると、腕の力だけで無理やりボールを投げたり、ラケットを振ったりすることになります。
その結果、全ての負担が、最終的に、あなたの「肘」へと、集中してしまうのです。

 【全ての土台】『肩甲骨の教科書』へ
→ 【全ての元凶】『猫背の教科書』へ

【第4章】根本改善への具体的な「3ステップ」

ステップ① 炎症を鎮める(アイシング・安静)

痛みが強い急性期は、無理に動かしてはいけません。プレーを一時的に中断しアイシングで患部の「火事」を鎮めることに、専念してください。

ステップ② 癒着した“筋膜”を解放する(セルフケア)

炎症が落ち着いてきたら、いよいよ、根本原因への、アプローチの始まりです。
以下の、シンプルなセルフケアで、長年の負担で、硬くなった「筋膜」を、優しく、解放してあげましょう。

【内側が痛い、あなたへ】屈筋群の、セルフ・筋膜リリース

  1. 痛い方の腕の、手のひらを、上に向けます。
  2. 肘から、手首にかけての、前腕の、内側の、筋肉群に、テニスボールや、マッサージボールを、当てます。
  3. 反対の手で、上から、優しく、圧をかけ、「痛気持ちいい」と感じる場所を、探します。
  4. その場所で、圧をかけたまま、手首を、ゆっくりと、上下に、10回ほど、動かしてください。

【外側が痛い、あなたへ】伸筋群の、セルフ・筋膜リリース

  1. 痛い方の腕の、手のひらを、下に向けます。
  2. 肘から、手首にかけての、前腕の、外側の、筋肉群に、同じように、ボールを、当てます。
  3. 同じように、圧をかけ、「痛気持ちいい」と感じる場所を、探します。
  4. その場所で、圧をかけたまま、手首を、ゆっくりと、上下に、10回ほど、動かしてください。

→ 『筋膜リリースの科学と、正しいやり方』へ

ステップ③ 正しい“体の使い方”を、再教育する(専門家と共に)

そして、最も重要なのが、「再発させない」ことです。

私たち手技の専門家は

  • “肘”だけでなく、“肩甲骨”“体幹”まで含めた、
  • あなたの「フォーム」「体の使い方」の根本的なクセを見抜きます。

そして、あなたの肘に二度と過剰なストレスがかからないための正しい「運動連鎖」を体に再教育していく。それこそが、本当の意味での「根本改善」です。


【第5章】【専門家の豆知識】あなたの肘を影で支える、小さな巨人「肘筋」

肘の安定を、影で支える「肘筋」

さて、ここからは、少し、マニアックな話をします。

私たち手技の専門家がスポーツ肘の治療を行う際、
痛む「外側」や「内側」だけでなく、必ずチェックする
“第三の、重要な筋肉”があります。

それが、肘の後ろにある「肘筋(ちゅうきん)」です。

その、重要な役割とは

この非常に小さくそして地味な筋肉こそが

  1. 肘関節を横ブレから守り、
  2. 肘のスムーズな曲げ伸ばしを影で支え、
  3. 腕の裏側の巨大な筋肉「上腕三頭筋」と連携する、

という、極めて重要な役割を担っているのです。

【セルフチェック】あなたの「肘筋」は、大丈夫?

肘の後ろ側、少し外側のくぼみ。そこが「肘筋」です。

そこを指で軽く押さえたまま、ゆっくりと肘を曲げ伸ばししてみてください。

もし、そこに強い痛みが走るなら。あなたのスポーツ肘の根本原因に、この「小さな巨人」が、深く関わっている、強力なサインです。

【結論】「痛みなくプレーできる喜び」をもう一度

プロの選手でさえも、スポーツ肘に、苦しみます。
最高の知識と最高のケアを受けていてもです。

それほどまでに、スポーツ肘とは厄介でそして奥深いものなのです。

だからもしあなたが今、痛みに悩んでいるとしても、決してご自身を責めないでください。

大切なのは、「必ず、治る」という、安易な希望を持つことでは、ありません。
ご自身の体の声に誠実に耳を傾け正しい知識を武器に、
そして、信頼できる専門家と、二人三脚で
一歩ずつ根気強く改善への道を歩んでいくこと。

その、地道な、しかし、確実な一歩の先にこそ、
「痛みなく、プレーできる喜び」を、再び、その手にできる、未来が、待っている。

私たちは、そう、信じています。


《そして、もし、あなたが、この長岡京市で、その“一歩”を、踏み出したいと願うなら》

私たちは、あなたの、その、長い戦いの、最高のパートナーになります。

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