【院長の治療日記】なぜ、病院で3度も見逃された「子どもの肘内障」を、当院は見抜けたのか？

「レントゲンでは、異常ありませんね」
もし、あなたが医師からこの言葉を告げられ、それでもお子さんが痛みに顔を歪めているとしたら。その時、親として感じるのは、安堵でしょうか。それとも、出口のない、深い不安でしょうか。

これは、実際に当院であった、一つの出来事の記録です。

決して、特定の医療機関を批判するためではありません。素晴らしい医師の方々が大勢いることも、私たちは知っています。
ただ、時には、病院が得意とする「検査」と、我々が得意とする「問診・触診」との間で、ほんの少しの“すれ違い”が起きてしまうことがある。そして、その“すれ違い”によって、見過ごされてしまう痛みがある、という事実を、あなたにお伝えしたいのです。

【第一幕】来院された母子の“なぜ？” ― レントゲンに映らない痛みの正体

先日、当院に、一人の母親が駆け込むように相談に来られました。

お子さんは痛がり続け、お母さんは途方に暮れていました。その状況に、私たちはまず、専門家として冷静に耳を傾けます。そして、その言葉の中に、一つの小さな“違和感”を見つけ出します。

この専門家としての直感を信じ、私たちは、もう一歩だけ、踏み込んだ質問をさせていただきました。

その、ほんの少しの問いかけから、「お友達とプロレスごっこをしていた」という、非常に重要な事実が見えてきました。そして、私たちの頭の中に、一つの鮮明な“仮説”が組み上がります。

【第二幕】触れた瞬間にわかった“答え” ― 肘内障の整復と、親子の笑顔

翌日、お母様に連れられて、お子さんが来院されました。腕をだらんと下げ、痛がる様子は、まさに私たちの仮説を裏付けるものでした。

私は、お子さんが怖がらないように優しく声をかけながら、その小さな肘の関節に、そっと触れさせていただきます。そして、指先に伝わる、ごくわずかな骨のズレを感じ取ります。

原因が特定できれば、処置そのものは、ほんの一瞬です。「コトン」というわずかな感触と共に、骨をあるべき場所へと戻します。

すると、それまで固まっていたお子さんの表情が、ふっと和らぎました。そして、何事もなかったかのように、腕を自然に動かし始めたのです。

その様子を見て、ずっと不安な面持ちだったお母様の顔に、ようやく、心からの安堵の笑顔が浮かびました。この瞬間こそ、私たち治療家にとって、何物にも代えがたい喜びです。

【第三幕】なぜ“すれ違い”は起きるのか？ ― あなたのお子様を守るために

今回のケースのように、なぜ、肘内障は医療機関で見逃されてしまうことがあるのでしょうか。それには、それぞれの専門分野の「得意なこと」の違いがあります。

もちろん、全てのケースがこれに当てはまるわけではありません。しかし、もし、お子様の急なケガで、病院を受診しても原因がはっきりしない場合には、「レントゲンには映らない問題」の可能性も考え、私たちのような専門家にご相談いただくことも、有効な選択肢の一つだと、覚えておいていただければ幸いです。

結論
画像に映らない“物語”に、耳を澄ますこと

今回のケースから、私たちが学ぶべき最も重要な教訓。それは、「検査結果」だけが、全てではない、という事実です。

その画像の向こう側にある、患者様の言葉に隠された“本当の物語”に、深く耳を傾けること。経験に裏打ちされた、指先の感覚を信じること。そして、「なぜだろう？」と、決して諦めないこと。

もし今、あなたや、あなたの大切な人が、どこへ行っても「原因不明」と言われた痛みに、一人で苦しんでいるのなら。どうか、思い出してください。

あなたの街には、レントゲン写真の向こう側にある、その痛みの「本当の理由」を、一緒に見つけ出そうとしてくれる専門家がいるということを。

【そもそも「肘内障」とは何なのか？】
　→ 『【予防が全て】子どもの肘内障、腕を引っ張る前に…』

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《長岡京市で、原因不明の痛みにお悩みの方へ》

私たちは、あなたのその痛みの「本当の物語」が見つかるまで、決して諦めません。
どんな些細なことでも構いません。まずは、あなたのお話をお聞かせください。