お子様の手を引いた瞬間、急に泣き出し、腕を動かさなくなる。
それは、子どもによくある「肘内障(ちゅうないしょう)」かもしれません。
この記事は、子育てに励む全ての保護者の方、そして、日々子どもたちと向き合う保育士や幼稚園の先生方に向けて書きました。
大切な子どもたちを、そもそも肘内障にさせないために。
そして、万が一の時に、慌てず、正しく対処できるように。
専門家として知っておいてほしい、大切な知識をお話しします。

【第1章】まず知るべきこと なぜ、子どもの肘は簡単に抜けるのか?
肘内障の正体と、子どもの関節の特性
肘内障とは、肘の骨(橈骨)が、靭帯から少しだけズレてしまう「亜脱臼」のことです。
なぜ、これが大人には起きにくく、子どもに多いのか。それは、子どもの関節が、骨や靭帯、筋肉もまだ成長途中にある、とても繊細な状態だからです。大人のように頑丈ではないため、日常の些細なことで、ズレてしまうことがあります。
【データで見る】肘内障が起きやすい年齢と性別の特徴
肘内障は、特に1歳から4歳の子どもに非常に多く見られます。全小児の外傷の約20%を占めるとも言われており、決して珍しいケガではありません。
年齢 | 発症率 | 特徴 |
---|---|---|
1〜2歳 | 40% | 最も発症しやすい年齢。歩き始めで転倒も多い |
3〜4歳 | 40% | 活発な遊びの増加により発症リスクが高い |
5〜6歳 | 15% | 筋肉の発達により発症リスクが低下 |
7歳以上 | 5% | 靭帯や筋肉の成長により、めったに発症しない |
また、女児の方がやや多い傾向にあり、全体の55%を女児が占めています。
最大の予防策 腕を引っ張る時の、たった一つの原則
肘内障の多くは、ご家庭や保育現場での、ほんの少しの知識と配慮で予防が可能です。
たくさんのことを覚える必要はありません。たった一つ、「手のひらを、上に向けて、優しく導く」という原則を、どうか覚えておいてください。
手のひらが下を向いた状態で強く引くと、抜けやすくなります。道路を歩く時も、遊具で遊ぶ時も、この原則が、子どもたちを痛みから守ります。
【第2章】もし、肘内障になってしまったら?正しい対処法の全て
予防していても、不意に起きてしまうことはあります。
その時は、慌てず、以下の手順で対処してください。
ステップ1:まずは「肘内障のサイン」を確認する
- 急に泣き出し、痛がるそぶりを見せるか?
- 痛い方の腕を、力なく、だらんと下げているか?
- お菓子などを渡そうとしても、痛い方の手で受け取ろうとしないか?
もし、これらが当てはまるなら、肘内障の可能性が高いです。無理に腕を動かしたり、自分で治そうとしたりせず、そのままの状態で、すぐに専門家を頼ってください。
ステップ2 「どこへ行くべきか」を冷静に判断する
お子様の急なケガで、どこに相談すれば良いか、迷いますよね。それぞれの特徴を理解し、状況に合わせて判断しましょう。
治療機関 | 特徴 | 診断方法 | 待ち時間 |
---|---|---|---|
整形外科 | ・レントゲン検査が一般的 ・医師による診察 | 画像診断と触診 | 比較的長め |
接骨院・整骨院(柔道整復師) | ・丁寧な触診による診断 ・手技による治療 | 問診、触診 | 短時間 |
「…このように、状況に応じて、整形外科と接骨院を賢く頼ることが大切です。しかし、中には、病院を何度受診しても“原因不明”と言われ、不安な日々を過ごしてしまうケースも、残念ながら存在します。
私が実際に経験した、“3度も見逃された肘内障”を、どのように見抜き、解決へと導いたのか。その詳しい思考の過程を、以下の【症例ファイル】で、特別に公開しています。」
→ 【症例ファイル①】病院で3度「異常なし」と言われた、子どもの腕の痛み
【補足】柔道整復師が行う、一瞬の整復処置とは
私たち柔道整復師は、骨や関節の専門家です。肘内障の整復は、お子様の緊張をほぐしながら、優しく、そして的確に行います。処置はほんの一瞬で終わり、多くの子どもはその場で泣き止み、すぐに腕を動かし始めます。その安堵の表情を見ることが、私たちの何よりの喜びです。
【第3章】保育士・幼稚園の先生方へ 園での予防と対応
多くのお子様と接する保育現場では、肘内障への理解と備えが、子どもたちを不必要な痛みから守ります。
日常的な予防策
- 手をつないで歩く際は、急に強く引っ張らない。
- 遊具での遊び方を丁寧に指導し、腕に無理な力がかからないよう見守る。
- 子ども同士の関わり合いにも目を配る。
発症時の対応手順
- まず落ち着いて症状を確認する 上記の「3つのサイン」を確認します。
- 無理に腕を動かさせない 痛みが悪化する可能性があるため、そのままの状態を保ちます。
- 保護者への連絡と医療機関の受診を検討 状況を正確に伝え、専門機関への受診を促します。
【第4章】よくある質問(Q&A)
- Q治療は痛いですか?
- A
熟練した専門家による整復は、ほんの一瞬で終わります。処置そのものによる痛みは、ほとんどありません。
- Qレントゲンは必要ないのですか?
- A
肘内障の診断には、専門家による触診が最も有効です。レントゲンでは異常が映らないことが多いため、まずは専門家の診察をお勧めします。(※骨折など他のケガが強く疑われる場合は、レントゲン検査が必要となります)
- Q将来的に影響はありませんか?
- A
適切な処置を受ければ、後遺症が残ることはほとんどありません。子どもの関節が成長すれば、自然と起こらなくなります。
【結論】正しい知識が、あなたと子どもを守ります
肘内障は、決して珍しい症状ではありません。その原因と正しい対処法を知っておけば、もう何も怖がることはありません。
この記事が、あなたと、あなたの周りの大切な子どもたちを守る、「お守り」となることを、心から願っています。
肘内障だけでなく、子どもの成長期には、突き指、成長痛、スポーツでのケガなど、様々なトラブルがつきものです。そんな“もしも”の時に、親として知っておくべき全てのことを、以下のページにまとめました。ぜひ、このお守りと一緒に、あなたの知識の本棚に加えてください。
→ 【子どものケガ】「あの時、こうすれば…」と後悔しないために。親が知るべき、最初の正しい一歩
そして、もし今、この長岡京市で、お子様の急なケガでお困りなら、もう迷う必要はありません。すぐに、私たちにご連絡ください。
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→『【症例】なぜ、病院で3度も見逃された「子どもの肘内障」を…』
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→ 『【子どものケガ】「あの時、こうすれば…」と後悔しないために。』
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