肩の痛みの正体:インピンジメント症候群を知ろう

肩が痛くて腕が上がらない…そんな経験はありませんか?もしかしたら、あなたは「インピンジメント症候群」かもしれません。難しい名前ですが、実はとてもよくある肩の病気なんです。

この記事では、インピンジメント症候群について、わかりやすく解説します。自己診断の方法から治療法まで、肩の痛みに悩む方に役立つ情報をお届けします。

インピンジメント症候群って何?

「インピンジメント」は英語で「衝突」という意味があります。つまり、インピンジメント症候群は、肩の中で何かが衝突して起こる病気なんです。

具体的には、肩の骨(肩峰)と、その下にある腱(腱板)が擦れたり挟まったりして炎症を起こし、痛みが生じる状態を指します。

自分でチェック!インピンジメント症候群の症状

あなたの肩は大丈夫?以下のチェックリストで確認してみましょう。

□ 腕を上げると痛い(特に横に上げるとき)
□ 夜中に肩が痛くて目が覚める
□ 肩や腕に力が入りにくい
□ 腕を動かすと肩に引っかかる感じがする

これらの症状が1つでもある方は要注意です。特に、腕を横に上げたときに60〜120度の間で痛みが強くなる(ペインフルアークテスト)場合は、インピンジメント症候群の可能性が高いです。

ただし、これはあくまで参考です。正確な診断は必ず医師または接骨院・整骨院の先生にお願いしましょう。

なぜ起こるの?インピンジメント症候群の原因

インピンジメント症候群には、主に3つの原因があります

  1. 肩の骨の形:生まれつき肩の骨(肩峰)が出っ張っていると、腱と擦れやすくなります。
  2. 使いすぎ:スポーツや仕事で肩を酷使すると、炎症を起こしやすくなります。
  3. 悪い姿勢:猫背などの姿勢が続くと、肩の動きが不安定になり、症状が出やすくなります。

どうやって治すの?インピンジメント症候群の治療法

治療法は大きく分けて2つあります

1. 保存療法(手術をしない治療)

なかの接骨院での考え方

インピンジメント症候群は肩の動きに異常が出た結果起こる場合が多いです。その場合は肩関節周辺に固くなった筋肉が存在します。それらに以下のアプローチを行います。

  • 手技療法: 肩甲骨や肩関節周囲の硬くなった筋肉を緩め、肩の動きの改善を図ります。筋肉の柔軟性を取り戻すことで、インピンジメント症候群による痛みや可動域制限を軽減します。
  • リハビリ: 筋肉の硬さを取り除いた後、肩関節周囲の筋力を強化するトレーニングが重要です。これにより、肩の安定性が向上し、再発を防止できます。
  • ストレッチ: 硬くなった筋肉を伸ばすストレッチを取り入れることで、肩関節の動きが滑らかになります。

整形外科で行われる治療法は以下のとおりです。

  • お薬: 痛み止めやヒアルロン酸注射で痛みを和らげます。
  • リハビリ: 肩周りの筋肉を鍛えて、肩の動きを改善します。
  • 休息: 痛みを感じる動作を避け、肩を休ませます。

2. 手術療法

保存療法で良くならない場合は、手術を検討します。最近は内視鏡(関節鏡)を使った手術が主流で、傷口も小さくて済みます。

インピンジメント症候群を予防するには?

インピンジメント症候群を予防するポイントは3つ

  1. 筋トレ: 肩周りの筋肉を鍛えましょう。
  2. 正しい動き: スポーツなどでは、正しいフォームを心がけましょう。
  3. 休憩: 肩を使う作業の合間に、こまめに休憩を取りましょう。
インピンジメント症候群の予防イラスト

似ている疾患にも注意!

インピンジメント症候群によく似た症状の疾患もあります:

  • 腱板断裂: 腱が切れてしまう重症の状態
  • 五十肩: 肩全体が硬くなる病気
  • 石灰沈着性腱板炎: 腱に石灰が溜まる病気

これらの疾患は治療法が異なるので、自己判断は危険です。症状が気になる時は、必ず整形外科や接骨院・整骨院を受診しましょう。

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まとめ

インピンジメント症候群は、早めの対処で改善できる病気です。肩の痛みを感じたら、我慢せずに医療機関を受診しましょう。適切な治療と日々の注意で、健康な肩を取り戻せます!

皆さんの肩の健康を心からお祈りしています。何か不安なことがあれば、ためらわずに専門医に相談してくださいね。