【手の痛み・しびれ】腱鞘炎?ばね指?手根管・肘部管症候群?― 専門家が教える、4つの見分け方

「スマホを持つだけで、親指の付け根が、ズキズキ痛む…」「朝、指が、カクンと、引っかかって、伸びない…」「夜中に、手のしびれで、目が覚める…」

その、あなたの、手の「痛み」と「しびれ」。それらは、似ているようで、その原因は、全く、別の場所にあります。

この記事は、あなた自身が、その「本当の原因」を見つけ出すための、専門家による、「診断の羅針盤」です。

【第1章】全ての“鍵”は「どの指」と「どこが」悲鳴を上げているか

ケース① 「親指の“付け根”(手首側)」が痛い → “ドケルバン病(腱鞘炎)”の可能性

  • 原因: 手首の親指側にある腱の“トンネル”(腱鞘)の炎症です。
  • 【セルフチェック】フィンケルシュタイン・テスト: 親指を他の4本の指で握り込み、そのまま手首を小指側に曲げてください。この時、親指の付け根に激痛が走れば、陽性の可能性が高いです。
  • 主なターゲット: 産後のお母さんや、スマホのヘビーユーザー。

ケース② 「指の“付け根”(手のひら側)」が引っかかる → “ばね指”の可能性

  • 原因: 指の付け根(手のひら側)にある腱の“トンネル”(腱鞘)の炎症です。
  • 決定的症状: 指を曲げ伸ばしする際に「カクンッ」と引っかかります(ばね現象)。特に朝、指がこわばり、動きにくいのが特徴です。
  • 主なターゲット: 更年期や妊娠・出産期の女性
腱と腱鞘の断面図。腱が腱鞘を通る様子を示す。腱の膨らみを強調

ケース③ 「親指〜薬指の半分」がしびれる → “手根管症候群”の可能性

  • 原因: 手首の真ん中にある神経の“トンネル”(手根管)での圧迫です。
  • 決定的症状:小指“以外”の指がしびれます。夜中や朝方に悪化し、手を振ると、少し楽になるのが特徴です。
  • 主なターゲット: 更年期や妊娠・出産期の女性

ケース④ 「小指と薬指の半分」がしびれる → “肘部管症候群”の可能性

  • 原因: 手首ではなく肘の内側にある神経の“トンネル”での圧迫です。
  • 決定的症状:小指が特にしびれます。肘を曲げていると悪化しやすいのが特徴です。

【第2章】なぜこれらの症状は特に“女性”に多いのか

これらの症状は手をよく使う職業の方にも見られます。
しかし特に更年期や妊娠・出産期の女性に多いのが特徴です。

それは女性ホルモンのバランスの変化が、
腱や腱鞘のむくみ炎症を引き起こしやすくするためだと考えられています。
あなたのせいではなく、体の自然な変化が引き金となっているのです。


【第3章】それぞれの症状への正しいアプローチ

まず、専門家による「正確な診断」を

これらの症状は非常に似ており、自己判断は危険です。
まずは整形外科や、私たちのような接骨院に相談し、あなたの症状の「本当の原因」を正確に見極めてもらいましょう。

私たち、手技専門家ができること

特に「ばね指」や「腱鞘炎」は、手術しかないと諦めている方も多いかもしれません。
しかし、腱がスムーズに動くための“環境”を、専門家の手技で整えてあげることで、改善するケースは、非常に多くあります。
例えば、「手関節の、わずかな歪みを調整する」といった、私たちならではのアプローチが、あなたの痛みと、しびれを解放する鍵となるかもしれません。


【結論】その「小さなサイン」を見逃さないで

あなたの手首や指が発する、その小さな「痛み」や「しびれ」。
それはあなたの体が送ってくれた大切な「SOSサイン」です。

そのサインを正しく理解し、適切なケアを始めること。
それがあなたの毎日を、もっと快適にするための、最初の、そして最も重要な一歩です。